<チダケサシ(乳茸刺)>

ユキノシタ科チダケサシ属

学名(属名+種小名)Astilbe microphylla

属名はa(無)+stilbe(光沢)で原種のインド種の葉がこれと似たAruncusよりつやが無かった為
種小名microphyllaは小さい葉の意
チダケサシ 乳茸刺
撮影:08年7月6日 野川公園自然観察園
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2〜3回羽状複葉で小葉は長さ1〜4p 根・茎 太い根茎があり、茎には褐色の荒い毛がある
細い花弁5、雄しべ10、柱頭は2裂の雌しべ1 果 実 刮ハで心皮の腹側から避ける
高さ 30〜80p 花 期 7月〜8月
生育地 山野の湿地 分 布 本州、四国、九州
別 名 花言葉 心の優しい(名前の奇抜な事から)
渡 来 在来種 近似種アカショウマ。トリアシショウマ等との雑種

和   名 長野県の山地に住む人々はチダケ(乳茸 傷をつけると白色の乳液を分泌する食用キノコ)をとるとこの草の茎に刺して持ち帰った事に由来する(長野県野草図鑑)。これに対してチチタケの生える広葉樹林内にはチダケサシが自生していない。また茎にチチタケを挿して持ち歩いているとほかの木や草に触れてチチタケが割れて落ちる。との理由から命名者の想像である(野草の名前)との説もある
いずれにしても茎には褐色の荒い毛が密生しているので一度茎に刺せば落ちにくい事は確かなようで面白い発想だ。
雑   記 04年7月に初見参の時にはチダケサシが乳茸刺とは思わず、血竹刺し?と物騒な連想をしてしまった。この時一緒に知ったのがハエドクソウで、蝿毒草らしきことは分かったが、こちらも何やら不気味で、余計変な想像をしたのかもしれない。
荒川周辺では見た記憶が無くもっぱらこの時期に見るだけだったが、今回(08年7月6日)は温暖化で2酸化炭素の排出量規制をせねばならない東京都の現状から「昭和初期チダケサシは旧東京市内の山の手にはよく見られた。そして毎年ピンク色の花穂が何十本も立つと初夏のにおいがした」(野草図鑑)に想いを馳せてしまった。

04年7月6日作成・08年7月7日新形式

観察ノート

チダケサシ040703 チダケサシ花
04年7月3日 野川公園自然観察園 花は花弁5、雄しべ10、柱頭が2裂した雌しべ1 080706