<フジバカマ(藤袴)>

キク科ヒヨドリバナ属

学名(属名+種小名)Eupatorium fortunei

属名のEupatoriumは小アジアのポンタスの王M.Eupatorがこの属の植物を薬用として愛用したことによる。
種小名の fortuneiはは19世紀英国の東亜植物採集家R.Fortuneの意
フジバカマ 藤袴
撮影:左は2014年9月5日、右は同年9月30日いずれも田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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短い柄があり対生、3深裂する事が多い 根・茎長く横にはう地下茎を持ち茎は直立する
総苞の中には5個内外の小花(筒状花)がある 果 実痩果は長い冠毛があり風に運ばれる
高さ100〜150p花 期8月〜10月と比較的長い
生育地土手や河岸などの草原に生える多年草分 布関東以西、四国、九州
別 名蘭草(昔の中国で香料とした事から)花言葉あの日を思い出す、躊躇
渡 来古く王朝時代に中国から渡来近似種ヒヨドリバナ、サワヒヨドリ

和   名 中国から薬草として渡来した当時の漢名は蘭だったが、布知波加麻(ふちばかま)と呼ぶことが多かった。その後意味を持つ藤袴の漢字が 当てられたが、その由来を書いたものはない。私見として頭花の中の小花を引き抜いて逆さにすると藤色の袴から2本の脚が出ているようだ (山渓名前図鑑・野草の名前)とあり、花色がフジの花に似、花弁の形が袴のようであるため。(花と樹の事典)ともある。
雑   記河川の護岸工事のため自生種が激減し、現在フジバカマとして野にある多くはサワフジバカマで、サワヒヨドリと フジバカマの交雑種という。園芸種のフジバカマとして売られていたサワフジバカマが広く野生化したもののようだ。
サワフジバカマの特徴は茎が赤く、葉がすべて3裂し、頭花の付き方が密で、最大の違いは冠毛が短く筒状花の半分くらいしかない 事という。
万葉集で詠まれているのは秋の七草の一つとされた由来の、山上憶良の「萩の花尾花葛花瞿麦の花女郎花また藤袴朝顔の花」八-1538の一首だけ だが、古今集以後は多く詠まれるようになった。
環境省レッドリスト 準絶滅危惧(NT)

2014年10月13日作成

観察ノート

フジバカマ株 フジバカマ頭花
フジバカマの若い株 2014年4月12日 普通5個の筒状花が長さ約8oの総苞に包まれるフジバカマの頭花
フジバカマの花柱 フジバカマの冠毛
フジバカマの花柱は2裂して長く花筒から伸び出す 長い冠毛に痩果をつけて風に飛ばす