<ハキダメギク(掃溜菊)>

キク科コゴメギク属

学名(属名+種小名)Galinsoga ciliata(G.quadriradiata)

属名のGalinsogaは18世紀のスペインの植物学者でマドリッドの植物園長Mariano Martinez de Galinsogaの名に因む
種小名のciliataは縁毛のあるの意
ニガカシュウ 苦荷首烏
撮影:2014年11月30日さいたま市西区の田んぼ地帯の農道にて
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互生し卵形〜卵状披針形縁には鋸歯がある 根・茎 茎は直立し、花柄と共に開出毛がある
頭花は約5o、舌状花は5個で先は3裂する 果 実 痩果は長さ約1.5oで黒色。鱗片状の冠毛
高さ 15〜60p基部で分枝する 花 期 6月〜11月
生育地 畑や草地、空地、路傍などに生える1年草 分 布 日本全国に帰化
別 名 英名Shaggy soldier(毛深い兵士) 花言葉 コツマナンキン的な(小さいが精巧な花)
渡 来大正時代 近似種 コゴメギク

和   名 最初に掃溜めで見つけられたからという。家の周りなど色々な所に生えるが、命名者の牧野富太郎が見つけた場所がこの花には不運だった。 1932年に北村四郎が神戸市で採集したものをコゴメギクとして報告したが、それ以前に牧野はハキダメギクと呼んでいたという。
但しコゴメギクも昭和の初期に熱帯アメリカから渡来しており、全体に毛が少なく細長い。節間はやや長く、葉も小さい。舌状花に冠毛が 無い。などの違いがあり、本州、四国に点在し、局所的に帰化しているようだ。
雑   記 オオイヌノフグリなどは改名した方がいいとの話があるが、ハキダメギクは可哀想とは言われてもついぞ改名の話は聞かない。せめて ケコゴメギクくらいだったらよかったのにと思うのは私だけだろうか。
奇妙なのは新牧野日本植物図鑑にハキダメギクの項が無い。あるのは コゴメギクの追記に本図は旧版でハキダメギクの図として掲載されたが誤りである云々の記述だけだ。編集者達もこの牧野の命名は可哀想で失敗 と思ったのだろうか。
花特に冠毛は実に精巧だ。鱗片状の冠毛の先は細く尖り、縁はふさのように 細かく裂けて刮ハを風に乗せる。一年草だがこんな巧妙な仕掛けが全国的に繁茂し、群生している秘密なのかもしれない。

2014年12月5日作成

観察ノート

ハキダメギク冠毛 ハキダメギク総苞
冠毛は白い鱗片状で先が尖り、痩果を風に乗せる 総苞はほぼ球形で、5個の総苞片には花茎と共に腺毛がある