<カラスウリ(烏瓜)>

ウリ科カラスウリ属

学名(属名+種小名)Trichosanthes cucumeroides

属名はthrix(毛)+anthos(花)で花冠の先が細裂して糸になるから。種小名は胡瓜に似たの意
カラスウリ 烏瓜
撮影:07年8月9日 荒川河川敷にて
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互生し質が厚く粗毛でざらつく 根・茎 茎は細く巻きひげで他の木などに絡みつく
花冠は5裂し裂片の先はレース状に裂ける 果 実 長さ5〜7pの楕円形で熟すと赤くなる
高さ 他のものに絡みつき3〜6m位伸びる 花 期 8月〜9月
生育地 藪影などに生える多年草 分 布 本州、四国、九州
別 名 タマズサ(玉章) 花言葉 よき便り(別名のタマズサから)
渡 来 在来種 近似種キカラスウリスズメウリ

和   名 「実を提灯や枕や柿に見立ててカラスやキツネとの結びつきを示す名が方言でみられる。このことからすると、キツネノカミソリのように 役立たぬウリとしてカラスの名を冠したのではなかろうか」(植物ごよみ 湯浅浩史) 「樹上に永く果実が赤く残るのを カラスが残したのであろうかと見立てたか」(牧野新日本植物図鑑) またスズメノエンドウに対するカラスノエンドウと同じように実がスズメウリより大きい事からカラスウリと名付けた等、 諸説がある。
別名のタマズサは結び文の意味で種子の形を枝に結ばれた手紙に見立てたもの。 また民間伝承で種子を大黒様に見立てて財布に入れるとお金が貯まるともいわれた。
雑   記 花は日が沈んでから開き、日の出前に萎むという。21時頃に行ってみると見事に咲いていたが、 辺りは漆黒の闇で内蔵のストロボと懐中電灯では全体を写すのはとても無理だった。一念発起して4時15分頃再度挑戦した。まだまったくの 闇だったのに全部の花が見事なまでに萎んでいた(日の出は4時50分頃)。アチコチ探してみたが咲き残っている花はなかった。
烏瓜は雌雄異株で雄花はのど元に黄色の葯がのぞき、雌花は萼筒の下に緑色の子房が見えるので区別できる。 花冠の下の約6cmくらいは花茎ではなく萼筒(花托筒)

07年9月15日作成

観察ノート

カラスウリ 烏瓜
水を入れたブランデーグラスに蔓を挿しておいたら開花しました このバックシャンは雄花なので根元に子房の膨らみはありません

カラスウリの雄花 烏瓜の雌花
雄花は葉腋に順次3〜4花を付け、萼筒はスマート 雌花は花序は作らず単独、萼筒の根元の膨らみは子房
カラスウリの果実 熟れたカラスウリの果実
07年9月23日現在の果実です。赤く熟すのが楽しみ 秋の陽射しに赤く輝く 06年11月16日見沼田圃にて
カラスウリの果実
未だ花を付けた若い果実と咲き終わった雌花09年8月19日