要注意外来生物 <メマツヨイグサ(雌待宵草)>

アカバナ科マツヨイグサ属

学名(属名+種小名)Oenothera biennis

属名はoinos(酒)+ther(野獣)で根にぶどう酒様の香気があり野獣が好むためといわれる「牧野新日本植物図鑑」用語解説
種小名のbiennisは越年草の意
メマツヨイグサ 雌待宵草
撮影:左は武蔵浦和、右は桜区の荒川土手にて、いずれも08年7月21日
※上の写真はクリックすると大きくなります
中肋が赤みを帯びることがある 根・茎 茎は直立し上向きの柔らかな毛がある
花径は約3p、萼片は花時に垂れる 果 実 刮ハは長楕円形で長さ2.5p
高さ 30〜120p 花 期 7月〜9月
生育地 路傍、荒地、空地等 分 布 北海道〜九州
別 名 アレチマツヨイグサ 花言葉 浴後の美人(生育地などから違和感あり)
渡 来 1920年代か(日本の帰化植物) 近似種オオマツヨイグサ、ノハラマツヨイグサ

和   名 マツヨイグサ(待宵草)は文字通り宵を待って咲く事から。竹久夢二の詩に曲がつけられて一世を風靡した「宵待草」は語呂はいいが、詩人が意識して変えたのか否かは不明という。
雌待宵草はやや小形なマツヨイグサの意(牧野新日本植物図鑑)。雌を小形を表わす名として使った同じような例はオヒシバより細身のメヒシバ(雌日芝)、蕾の形をオナモミの実を小さくしたものと見たメナモミなどがある。
雑   記 マツヨイグサ属すべての種類約80種がアメリカ大陸に分布し、そのうち日本には14種が帰化している(世界文化生物大図鑑)
一番渡来が早かったといわれるマツヨイグサは萎むと赤くなるのですぐ分かり、03年には笹目川近辺のいたるところに見られたが、開発もあって翌年からはすっかり姿を消してしまった。今では荒川河川敷を探してもメマツヨイグサばかりだ。同じ属の外来種だけに強者の論理は強烈だ。
名の如く宵を待って花開くが、08年7月20日には19時50分になってあたりは暗くなっているにも拘らず一花も咲いていなかった。でも翌朝5時半頃、明るくなっていても花は開いていた。同じ夜咲く花でもカラスウリより夜も朝も遅いようだ。

08年7月29日改訂

観察ノート

メマツヨイグサ 雌待宵草
花弁に隙間があるのをアレチマツヨイグサとして区別する説もある 花を支えているのは花茎ではなく萼筒です。蜜が中にあります

メマツヨイグサ
葯についている花粉は粘って糸を引きます