<ミツガシワ(三槲)>

ミツガシワ科ミツガシワ属

学名(属名+種小名)Menyanthes trifoliata

属名のMenyanthesはTheophrastus(テオフラトス)が用いた名でmenyein(表現する)+anthos(花)で総状花序の花が徐々に展開することに因んだ。種小名のtrifoliataは3葉の意
ミツガシワ 三槲
撮影:左は2009年6月17日コッタロ湿原で、右は2019年4月17日筑波実験植物園にて
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葉は根生し長い柄があり、3個の小葉をつける。葉質はやや厚く鋸歯がある 根・茎 横に這う地下茎は太く1cm近くになり、先に数葉をつける
夏、根生葉の間から高さ約30cmの花茎を出し先に白い5裂片の花を咲かせる 果 実 刮ハの果実は球形で、種子も球形
高さ 20-40cm、白い花が長さ10cmほどの総状花序につく 花 期 5〜8月
生育地 北半球の亜寒帯、寒帯に分布、日本では山地の沼や沢など 分 布 北海道、本州、九州の山地の沼
別 名 ミズハンゲ 花言葉 私は表現する(学名より)
渡 来 氷河時代の一属一種の遺物 近似種

和   名 名前の由来は、3枚の葉が集まっている生え方や大きな葉の縁の波形がブナ科のカシワの葉に似ていることからという。
古くカシワと呼んだものに、ヒノキ科のコノテガシワ、アスナロ、ヒノキなど漢名に柏の字を持つ細い枝のものと、今のブナ科に代表される広い葉のものとがある(コトバンク)という。とすると前者が柏、後者が槲となり、ミツガシワの漢字表記は三槲が正解の様だ。
雑   記 ミツガシワは北半球の寒地に広く分布、日本でも東北までは普通に見られ近畿地方以西ではごく少なくなっているという。京都市の深泥池や東京都練馬区の三宝寺池など暖帯の一部にも孤立的に自生している。これらは氷期の生き残り(残存植物)と考えられ、これらを含む水生植物群落は天然記念物に指定されているようだ。
たまたま見ていた写真の中に筑波実験植物園のミツガシワが出てきた。自生ではなさそうだが、確か以前に釧路湿原で見た記憶もあった。調べてみると2009年6月17日のコッタロ湿原だった。釧路湿原の北のはずれで、タンチョウにも出会っていた。調べているうちに二型花柱性という事も分かり、サクラソウと同じで余計に親近感がわいてきた。

2023年7月29日作成

観察ノート

ミツガシワ雌花 ミツガシワ雄花
長い花柱が見えるミツガシワ雌花 花柱が短いミツガシワ雄花
ミツガシワ花 ミツガシワ姿
花は裂片5,おしべ5,雌しべ1の子房上位、柱頭2裂 根茎の先から3小葉の葉が出て、中に花茎が立つ