<ムラサキスズメノオゴケ(紫雀の麻小笥)>

ガガイモ科イケマ属

学名(属名+種小名)Cynanchum purpurascens

属名Cynanchumはcyno(犬)+anchein(殺す)犬に対して害毒があると考えられていたこの属の一種の古代名
種小名のpurpurascensは淡紅紫色の意
ムラサキスズメノオゴケ 紫雀の麻小笥
撮影:08年6月19日 小石川植物園の分類標本園にて
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短い柄があり全縁で先が尖る 根・茎 茎は細長く直立する
葉腋に花柄を出し分岐して多数の花をつける 果 実 袋果は角状で中に冠毛のある種子
高さ 30〜60p 花 期 春から秋
生育地 栽培種 分 布
別 名
花言葉 純粋培養された(栽培種)
渡 来
近似種イヨカズラ

和   名 イヨカズラの別名がスズメノオゴケと言われるが、牧野富太郎博士はイヨカズラは別種と主張してスズメノオゴケを正式名に提唱したという。
おごけ(麻小笥)はおけ(麻笥)と同じで「細く裂いて長くつないだ麻を入れておく円筒形の器。檜の薄板を曲げて作る」(日本国語大辞典)で、笥(ケ)は物を入れる器の意。これが転じて現代の桶になったという。
いずれにしても果実や種子からの発想らしい。紫はイヨカズラの花が白に対して本種が紫によるもの。
雑   記 6月19日の小石川植物園分類標本園はアチコチにキキョウソウとハタケニラが花をつけていたが植えられた植物にはあまり見るべきものが無かった。その中でこのムラサキスズメノオゴケは花が小さいながら紫褐色のビロードのような花が印象的だった。表示を見るとムラサキスズメノオゴケと長たらしい名前が書いてあった。何処で切ってどう読んだらいいのか、とにかくオゴケの言葉を知らなかったので色々に悩んでしまった。
表示に栽培とあったが園芸植物図鑑にはその名が無く改訂版原色牧野植物大図鑑のみに表記があったのも意外だった。

08年6月28日作成

観察ノート

ムラサキスズメノオゴケ
小石川植物園分類標本園にて 08年6月19日