<ノウルシ(野漆)>

トウダイグサ科トウダイグサ属

学名(属名+種小名)Euphorbia adenochlora

Euphorbiaはローマ時代の侍医のEuphorbusの名にちなむ。種小名は「腺が緑色」の意味
ノウルシ 野漆
撮影:左は2007年4月5日、右は2010年3月21日いずれも田島ヶ原サクラソウ自生地
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先が丸く縁には鋸歯が無い根・茎地下に太い根茎がある、茎は直立する
杯状の中に雄しべ雌しべが不規則に入る果 実刮ハにはイボがある
高さ40〜50p花 期4月ころ
生育地湿地に生える多年草分 布北海道〜九州に分布
別 名サワウルシ花言葉奥の深い(花が独特)
渡 来日本独自の植物近似種トウダイグサ、タカトウダイ

和   名 野に生え茎を切ると漆のような白い液が出てかぶれる事からだが、トウダイグサ亜科の植物には乳管がある。
ちなみ にトウダイグサのトウダイは海の灯台ではなく、昔の照明の灯台に花のつき方が似ているからだ。
田島ヶ原の自生地では桜草より優勢で、名前からもあまり好感 は持たれないが、環境省レッドリストでは 準絶滅危惧(NT)でサクラソウと同ランクの貴重な植物だ。
雑   記 とにかく杯状花序という花の着き方が面白い。肉眼で もよ〜く見るとイボのような突起がある子房が真ん中に有る。そしてその上には先端が2裂している柱頭がある。杯の周りには黄 色い腎臓形の腺体がついて蜜を分泌する。
「5個の総苞片が合着して杯状のツボを作り、中に数個の雄花と一個の雌花が ある。花弁は無い。一個の花序では雌花が先に現れ雄花が後から現れる」(雑草図鑑P198)とあり、雄しべ雌しべが退化したそれ ぞれの花だという。
とにかくルーペを持って行くと楽しみが倍加する。

07年6月14日作成・12年9月17日改訂

観察ノート

ノウルシ若い芽 ノウルシ若い葉
@芽生えは圧倒的に赤い芽が多い 11年2月19日 A成長とともに次第に葉がほぐれる 11年3月4日
ノウルシ若い葉 苞葉が黄色くなり始める
B次第に緑色に変化し、成長段階は様々 12年3月16日 C一番上の苞葉が黄色に色づき始める 11年3月27日
ノウルシ花序 ノウルシ刮ハ
周囲に苞葉の付いた杯状花序を付ける 12年4月4日 E刮ハはイボイボがある 12年4月25日
黄葉し始め 5月終わりには枯葉色
F葉が赤くなり始めました 12年5月21日 G周囲が緑色を濃くする頃には枯葉色です 12年5月30日