<オオアレチノギク(大荒地野菊)>

キク科イズハハコ属

学名(属名+種小名)Conyza sumatrensis(Erigeron sumatrensis)

属名のConyzaはchonos(不完全)に由来、あるいはギリシャ語の古い植物名という。
種小名のsumatrensisはスマトラの意だが標本を採取したようだ
オオアレチノギク 大荒地野菊
撮影:左は2011年7月28日、右は2021年8月27日いずれもさいたま市荒川河川敷にて
※上の写真はクリックすると大きくなります
両面に密に軟毛、鋸歯が多く脇芽が伸びる 根・茎 茎にも密に軟毛があり灰緑色に見える
頭花は長さ約5oで円錐状に多数つく 果 実 そう果は長さ約1.5ミリ、冠毛は4ミリ
高さ 80〜180cm 花 期 7月〜10月
生育地 空地、道端、堤防等 分 布 日本全土
別 名 花言葉 真実、長寿、健やか
渡 来大正時代に渡来(南アメリカ原産)近似種 アレチノギク、ヒメムカシヨモギ

和   名 明治25年ころに琉球にてアレチノギクが発見され荒地に生える野生のキク科植物なのでアレチノギクの名がついたと野草の名前 (山と渓谷社)は推測する。そしてアレチは適しているがノギクは他のノギクに比して過大評価としている。
1926年牧野富太郎が東京で採取したものをアレチノギクとヒメムカシヨモギの雑種と考え、新種Erigeron musashiensisとして 発表した。しかしながら1952年北村四郎によりオオアレチノギクは雑種ではないことが証明された。
雑   記 アレチノギクは明治中期に渡来して分布を拡大していたようだが、オオアレチノギクが渡来してからは少しづつ勢力を弱めたようだ。
オオアレチノギクとヒメムカシヨモギはよく似て判別がナカナカ難しい。同じような環境に生え、一緒に生えていることも珍しくない。簡単な 相違点はオオアレチノギクの頭花には白い舌状花が見えないことだ。そしてオオアレチノギクは茎や葉など全体的に軟毛が密生するので灰緑色 、ヒメムカシヨモギは濃緑色に見える。
学名は併記してあるが、APG体系では「Conyza(イズハハコ属)」とし、エングラー体系では「Erigeron(ムカシヨモギ属)」とされている。
オオアレチノギクは大型で繁殖力も強いので在来の植物を駆逐する恐れもあり、日本生態学会が定めた「日本の侵略的外来種ワースト100」に指定されている。

2023年5月23日作成

オオアレチノギク密毛 オオアレチノギク根
茎や葉に密についた軟毛が見える 値を掘り取った写真