<オミナエシ(女郎花)>

オミナエシ科オミナエシ属

学名(属名+種小名)Patrinia scabiosaefolia

属名のPatriniaは18世紀後半のフランスの鉱物・植物学者の名に因む。種小名のscabiosaefoliaはマツムシソウ 属のような葉の意
オミナエシ 女郎花
撮影:左は10年8月1日、右は10年9月14日いずれも小石川植物園にて
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対生し多くは羽状に深く裂け毛は少ない 根・茎 根茎は横にはい株のそばに新苗を作る
花冠は黄色で径4o。多数が散房状につく 果 実 楕円形で長さ3oくらい。翼は無い
高さ 50〜100pの多年草 花 期 8月〜10月
生育地 日当りの好い山野 分 布 北海道、本州、四国、九州
別 名 女飯 花言葉 優雅な(たおやかな草姿ゆえ)
渡 来 在来種 近似種オトコエシ

和   名 黄色い蕾や花を粟に見立ててアワメシ、白い米のオトコメシに対して黄色い粟はオミナメシ。それがオミナエシに転訛 したという。この説は根拠を会津から九州にいたる各地にあった方言に求めているがいつ頃から使われていたのかは定かでない。
一方、オミナメシは、室町時代以降に使われ始めた新しい言葉。万葉集にはオミナエシの名前があり、オミナメシ説は当たら ない(山渓名前図鑑 野草の名前)との反論もある。
「おみな」はおんなの雅語的表現。「女郎」は上臈の変化で女性の古語 的表現(いずれも新明解国語辞典)。ちなみに女郎花と書くようになったのは延喜年間(901〜923年)ころという。
雑   記 オミナエシ科は世界に13属、約400種と言われる小さな科で日本の在来種は2属8種がある。特徴は子房は下位で3室に分 かれるが結実するのは一室のみ。花冠は下部が筒状になり先は5裂するがオミナエシ属では雄しべは4本しかない。またオ ミナエシ、オトコエシも古くなると醤油の腐ったような匂いがし、中国では敗醤と呼ばれる。
秋の七草のひとつ。

10年10月22日作成

観察ノート

オミナエシの花
下位子房。合弁花で先は5裂する。雄しべ4、雌しべ1