<サイカチ(p莢)>木本

マメ科サイカチ属

学名(属名+種小名)Gleditsia japonica

属名Gleditsiaはリンネと同時代の植物学者Gleditschに因む。種小名は日本の意味。
サイカチ p莢
撮影:2013年5月21日、田島ケ原サクラソウ自生地にて
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偶数1〜2回羽状複葉。小葉は8〜12対 根・茎 幹や枝に分枝した刺が多い
小さな淡黄緑色の雄花、雌花、両性花がつく 果 実 豆果は約30pで扁平でよじれ熟すと黒くなる
高さ 高さ20mになる落葉高木 花 期 5月
生育地 山野や河原の水辺に多い 分 布 本州、四国、九州
別 名 カワラフジノキ 花言葉 見かけによらず(花は触れると落ちる)
渡 来 在来種 近似種ジャケツイバラ

和   名 古名の西海子(サイカイシ)の転訛したものである。したがってサイカシ、またはサイカイジュともいう(新牧野日本植物図鑑)。漢方で種子を 「p角子 (ソウカクシ) 」といい、「西海子 (サイカイシ)」はそれの転訛したものという。
雑   記 豆果はサポニンを含むため古くから石鹸の代わりに利用され、漢方では生薬として去痰、利尿薬として用いられた。
サイカチの種子は種皮が傷つくまではほとんど吸水できず、そのままでは何年たっても発芽が起こらない。サイカチマメゾウムシが果実に産卵し、幼虫が 種皮を食い破って内部に食い入ったときにまとまった雨が降ると、幼虫は溺れ死に、種子は吸水して発芽する。一方、幼虫が内部に食い入ったときにまとま った雨が降らなければ幼虫は種子の内部を食いつくし羽化することが知られている。(ウィキペディア)
万葉集巻第十六3855には
皀莢に延ひおほとれる屎葛絶ゆることなく宮仕えせむ 高宮王
とあり万葉の時代からあったようだ。
屎葛(くそかずら)は現在のヘクソカズラ

2013年6月3日作成

観察ノート

「同一個体を観察した結果、雄花のみの年、雌花のみの年、両方とも咲く年があることがわかった」(山渓 樹に咲く花)とあるが、今回の観察では雄花 の株に一つだけ雌しべのある花を見つけた以外は雌雄異株のようでした。雄花の木には未だかって実がついたことは無く、雌しべのある株には毎年実がつ いています。2013年6月3日
サイカチ雄花 サイカチ雌花
左は雄花、右は太い花柱の雌しべが見えます(同じ株で雌花は一つしか見られませんでした)2013年5月26日
種子 種子の断面
種子は扁平で7〜8oの楕円形、表面は褐色で艶があり硬い。普通の鋏では刃がたたず、小さなペンチで割ると周囲は白い石綿 状の中に見た目栗のような実が入っていた。約30pの豆果に25個の種子が入っていた。