030623
利尻山花紀行
プロローグ(概要)
利尻山は日本海に浮かぶ利尻島の中心に位置する火山で、標高1721m。 島全体が円錐形の成層火山で、海上に突出した美しい山容から利尻富士とも云われます。約2万年前に玄武岩を噴出しましたが、有史以来の活動の記録は無く山頂に火口の跡も見当たりません。
山頂付近にはリシリヒナゲシをはじめ、利尻の名を冠した高山植物が18種有ると云われます。 標高はさほど高くありませんが、海抜ゼロメートル近い所からスタートするので高低差が大きい事、最果ての山のロマン、そして何より日本百名山の一座に挙げられた事で、多くの登山者の憧れを集めているようです
海岸際まで裾野を拡げた利尻山(飛行機より) 03年6月25日
リシリゲンゲ 02年6月26日
下記の5点は利尻登山の必携アイテムとして持参しました
1水(2000CC)3合目の甘露泉水の他は水場は無いので2リットルは必携
2ストック(杖)下山時足元から崩れやすい砂礫の急斜面と岩場では必需品
3軍手ロープ場では絶対に必要
4携帯用トイレ北麓野営場以外はトイレが無い為、環境保全の為必ず持参
5食料約10時間の日帰り行なので、できれば2食分を携行したい
上記利尻山花紀行をクリックして下さい
リシリリンドウ 02年8月16日
リシリヒナゲシ 02年5月14日
黄緑色の花径3〜4cmの4弁花。利尻富士町の町花
エピローグ(蛇足)
晴天に恵まれた平成15年6月23日、鴛泊コースを上下しました。 早朝出発は日帰り登山の絶対条件です。花を撮りながら余裕を持って登れました。
無事下山して北麓野営場から鴛泊までの2.7キロのアシの確保も大切です。 タクシーはシーズン中は観光で出払ってまず利用できる見込みはありません。宿なりに連絡したら来てもらえる様手筈をしておく事です。携帯電話は山頂でも通じましたし、連絡用に使えます。
また、路傍の花は登山時期によって変わります。 その時々の素晴らしさがありますが、今回多く見られた花はウコンウツギ、エゾノハクサンイチゲ、イワベンケイ、キバナノコマノツメ等でした。残念ながら上掲3花は、今回は見られませんでした。
人気が出てきた事で地元の心ある人達が心配しているのは、 高山植物がどんどん少なくなっている事のようです。みんなの共有財産として大切に保存していきたい。その願いは切実です。登山者の最低のマナーとして限りある自然は大切にしたいと思います。
そして、もうひとつ切実なのは環境問題です。特に避難小屋近辺の環境悪化が 懸念されています。携帯トイレは必ず持参し山を汚さないようにするのが必須のマナーです。「ヒトリくらいはいいだろう」が環境悪化の元凶です。一人ひとりの自己規制が山を守る最善の方法なのです。
参考文献:「利尻」山の島・花の道 北海道新聞社刊 「礼文」花の島・花の道、「サロベツ」花原野・花の道の3部作中の一
冊。季節毎の写真が美しく、地図・解説も詳しい
山の花図鑑「利尻島・礼文島」 北海道新聞社刊 高山植物を初心者向けに紹介しているハンディブック