ホソバオグルマの群生発見

ホソバオグルマの群生
7月28日になって道場4丁目のプラザウェストに近い休耕田(買収済みの公有地?)に繁茂したイネ科の葉の中に頭状花も舌状花も黄色い、丸い形の花がたくさん咲いているのを見つけた。今まで何故気付かなかったのだろうと思うほど群生していた。
 調べてみるとキク科のオグルマのようだった。舌状花の縁がキッチリと円く揃っているのが特徴で、近似種のカセンソウとはその点と花のすぐ下に葉があまりつかない点で区別できるようだ。
 近年休耕田が増えて農薬をあまり使わなくなって復活してきた、古くから日本にある花という。
30日の朝から周辺の公有地の除草が始まっているので、慌てて撮りに行った写真です。群生の見事さがもうひとつ撮れませんでした。 写真はクリックすると大きくなります。

小石川植物園でオグルマに対面

29日は会社の大先輩の一周忌で文京区の菩提寺に行った。すぐ近くに小石川植物園があるので寄ってみたら、薬草園にも分類標本園にもオグルマがあった。両方とも終わりかけていたが、昨日見たより花が一回り大きく、葉も明らかに大きかった。
細葉小車の花 細葉小車の花
鮮やかな黄色が印象的なホソバオグルマ(細葉小車)です。 平成17年7月28日 道場4丁目休耕田にて
小車の花 小車の花
もう1週間早ければキチット周りの揃ったオグルマを見られたのに残念。 平成17年7月29日 小石川植物園にて

花も葉も小さい近似種

翌30日キチント調べなければと意気込んでプラザウェストの桜図書館に来た。
 「野草大百科」はオグルマの項で「花は直径3p〜4pで、周りを鋏で切りそろえたように舌状花の長さが揃っている。花の様子をオグルマ(小車)に見立ててこの名がある。近似種のホソバオグルマは葉が細く頭花もやや小さい。」と書いていた。
 「日本の野生植物」も「ホソバオグルマの葉は線形または線状披針形で、幅6〜10oと細く頭花も小さくて径18〜25o」としていた。
 そして環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類(VU)にあげられていた。

人里に咲く花の宿命

この日は朝から周囲の休耕田の除草が始まっていた。このままではホソバオグルマも刈られてしまうのではと思ったが、危惧したとおり夕方までにはきれいに刈られてしまった。
 何時刈られるか分からない環境で、どう子孫を残していくのかを工夫してきたのが人里の植物なのだろうが、このような花の盛りの群生を刈り取ってしまったのはいかにも勿体ない。
  私にとってはたった2日間の出会いでしかなく、いくら人里に咲く花の宿命と思っても無念残念やる方なかった。そしてまた、もう少し早く見つけていればと忸怩たる思いだった。
平成18年10月12日作成