前日の大雨は築堤工事箇所の土砂を穿っていました

前日の低気圧の通過に伴う大雨は秋ヶ瀬公園の運動場を水没させ、冬の乾田を水田に早変わりさせて、堤防上からの左右の風景を一変させていました。
八島築堤工事箇所では何箇所かで盛土が自転車道まで流れ出したようでした。でも、朝から3〜4人の工事担当者が泥土を取り除く作業をしていました。快適に走れるようとの心遣いには大感謝でした。
秋ヶ瀬公園 水田化した乾田
左の写真は秋ヶ瀬公園の運動場で、手前の冠水している所は野球場、後ろのゴールポストの見えるところはサッカー場です。右は道場の飛地の堤防内の田園地帯でまったくの水田状態です。
盛土したばかりの斜面 流れ出た土の除去作業
水の力はすごいものですね。新しい盛土は少しぐらい固めただけでは雨滴に穿たれ土を流し去っていました。右の写真は自転車道に流れ出した泥土を朝から取り除く作業をしてくれているところで、感謝です。

水田化した中の湿った土くれは保護色で大変でした

田鳧
さいたま市西区三条町の田んぼの中にハトくらいの黒い鳥が動いていました。とうの昔に水抜きされていましたが、耕運機で耕された田んぼは前日の大雨で水田状になっていました。
最初はキジバトかカラスかと思いましたが、よく見ると胸は白く頭には冠羽があり、タゲリ(田鳧・田計里)のようです。
歩いては止まり、少しするとまた移動する事の繰り返しです。カメラで追いかけましたが、湿った土くれは保護色になり何処に行ったのか見つけるのが大変でした。
前日の強風雨がウソのように青空が広がり澄んだ空気が支配していました。乾田になっていた田んぼは一部水田化して青空を写し、はるか向うには富士山が雄姿を見せていました。土くれとほぼ同色の動きの早いタゲリをデジカメの液晶画面で追いかけるのは苦労しました。

あちらにもこちらにもと夢中になっていた時、突然群れが飛び立ちました

冠羽がハッキリ タゲリ
左の写真はタゲリの象徴の冠羽がハッキリ分かります。そして左右の写真とも褐色の背と白いお腹が明瞭です。
タゲリが4羽 タゲリの将に飛び立つ瞬間
左の写真は畦のひだまりで日向ぼっこをするタゲリの4羽ですが、この先にも2〜3羽が同じような格好でいました。右は大群が飛び去った後、遅れて飛び立った7〜8羽の内の一羽が将に飛び立とうとしている瞬間です。
少し落ち着いてよく見ると、アチコチにいるようです。自転車を静かに下りて本格的に写そうと見回すと、日溜りの畦の斜面に6〜7羽がじっとしていました。なるべく多くそして鮮明に写そうと構図取りをしていた時、突然一声大きな鳴声が聞こえました。
その瞬間思いもかけないことが起こりました。2〜30羽が一斉に飛び立ったのです。
エエッ!予期せぬ事にビックリ。瞬間的には何が起こったのかまったく分かりませんでした。大きな羽音と共に水田のアチコチからタゲリが飛び立ちました。そして白い胸を輝かせた集団は黒い背とのきれいなコントラストを見せながら2〜3回旋回して空の彼方に消えていきました。
それこそあっと言う間の出来事で集団が旋回する姿をシャッターも押せず呆然と見送ってしまいました。
地団太踏んでも後の祭りでした。

タゲリ(田鳧・田計里)

本州以南の各地に飛来するチドリ科の冬鳥。水田や湿った畑、河原や時には干潟に住み、開けた平坦地を好む。主食は昆虫やミミズなど。チドリ類全般に見られるように、泥の地面を片足で叩き、虫を追い出して捕らえたりする。冬には数羽から十数羽の群れでいるのが普通。
黒い頭上に長い冠羽。緑色や淡紅色の光沢ある上面、お腹は白く胸に黒帯があるのが特徴。   野鳥観察図鑑 成美堂出版より抜粋
平成19年2月5日作成