<アカネ(赤根・茜)>

アカネ科アカネ属

学名(属名+種小名)Rubia argyi(Rubia akane)

属名のRubiaはラテン語のruber(赤)に由来。東西ともにこの仲間が赤い色素を取るのに用いられた事を表わし ているという
アカネ 赤根
撮影:09年9月19日さいたま市の田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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卵形で先が尖り基部は心形で偽輪生する 根・茎 茎は4稜があり、根は黄赤色で染料になる
径4oで花冠は5裂、時に4裂する 果 実 球形の液果で熟すと黒くなる
高さ つるは2mにもなり他物に絡む 花 期 8月〜10月
生育地 山野や平地に普通 分 布 本州〜九州
別 名 茜草(せんそう)中国名 花言葉 有名人のような(実体より名前)
渡 来 在来種 近似種オオアカネ

和   名 黄赤色の根が茜染めの原料として使われた事に由来する。
茜色とは黄赤色または暗赤色を指し茜雲、茜色の空など空 の色を形容する事が多い。そして「あかねさす」は茜色に鮮やかに照り映える意から、「日」「昼」「紫」「君」などにかかる枕詞 として使われた。
あかねさす日は照らせれどぬばたまの
              夜渡る月の隠らく惜しも 〈万葉集169〉
あかねさす紫野行き標野(しめの)行き
              野守は見ずや君が袖振る 額田王〈万葉集20〉
雑   記 09年7月初め頃自生地でアカネの花が散見された。その後探しても見つからなかったが、9月19日にたくさんの小さな淡黄緑色 の花を見つけた。花期から言うと当然なのだが、最初はチョット信じられなかった。
アカネという名前は茜染めや茜色など で親しみがあるがいざその花はといわれるとあまり馴染みがないのではないだろうか。花径4oくらいと小さいが茜色とはまった く別の上品な淡黄緑色の花だ。
アカネの根の紅色素はプルプリンで古くは石灰を媒染剤として染料に用いた。プルプリン (purpurin) は赤 または黄色の染料でアカネ色素にアリザリンなどと共に含まれる。エタノールに溶かすと赤く、アルカリ性の水溶液に溶かすと黄 色くなる。
茜は藍と並んで世界最古の植物性染料で、日本でも吉野ヶ里遺跡から茜染めの絹布が見つかっている。

09年11月24日作成

アカネの花 アカネ+ヤブマメ
茎には稜があり他物に這い上る為の多くの刺があります 薄紫色のヤブマメの花は2pくらいの長さです