<カキドオシ(垣通し)>

シソ科カキドオシ属

学名(属名+種小名)Glechoma hederacea var.grandis

属名のGlechomaはハッカの一種につけられた古代ギリシャ名glechonに由来する
種小名はキズタのようなの意味で変種のgrandisは大きなの意
カキドオシ 垣通し
撮影:08年4月9日、秋ヶ瀬公園にて
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円い葉が対生し鋸歯も円く、もむと強い香り 根・茎 茎は春にはほぼ直立、夏には蔓状になる
花冠は約20oで下唇は上唇のほぼ倍 果 実 分果は楕円形で約2o
高さ 5〜25p 花 期 4月〜5月
生育地 路傍、林縁、畑地など 分 布 日本全土
別 名 カントリソウ、連銭草 花言葉 君子に似た(花後に豹変する)
渡 来 在来種 近似種

和   名 カキドオシ(垣通し)読んで字の如し、春には高さ25pくらいまで直立するが、花後には蔓状に地を這い垣根を越えて隣家までも伸びる事からという。
別名のカントリソウ(癇取草)は小児の癇(小児の神経症。夜泣きやひきつけなどの発作を起こす病気)に効く事から。癇は疳に同じ。
また漢方では連銭草といわれ胆のうや泌尿器結石、糖尿病などに効能があるという。名の由来は円い葉が銭に似ていてそれが茎に連なることから。
雑   記 春先に林の縁などに群生している様は見事だ。また、路傍や野原などあらゆる所で見られる紅紫色の花は個々でもきれいだ。でもシソ科独特の唇形花で大きいものは開き方や濃い斑が何となく奇異に感じるときもある。
昔から漢方薬としても民間薬としても用いられていた有用な植物とは思えないほどシーズンにはあらゆる所で見られる。葉をもむと独特の香りがある。
カキドオシ属はユーラシアに約6種、日本には一種のみ(世界文化生物大図鑑)

08年8月15日作成

観察ノート

カキドオシ 垣通し
花の中には繊毛があり、茎は四角く毛が生えています 雄しべは2本が長く2強雄ずいといわれます
カキドオシ 垣通し
花の時期にはこのように見事に直立して花をつけます 花は葉のもとに1〜3個付く
カキドオシ
雄しべの2本は雌しべと共に長く、2本は短いのが分かります