<コカモメヅル(小鴎蔓)>

ガガイモ科(APG分類ではキョウチクトウ科)オオカモメヅル属

学名(属名+種小名)Tylophora floribunda

属名のTylophoraはtylos(節、たこ、はれもの)+phoreo(有する)で、副花冠の隆起をたこ(足や手にできる膨らんだ部分)に見立てた。
種小名のfloribundaは花の多いの意
コカモメヅル 小鴎蔓
撮影:左は08年8月23日、右は09年7月8日いずれもさいたま市田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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対生し披針形で先が尖り基部は浅い心形 根・茎 茎は細くて長く伸び他物に絡みつく
径5oで花冠は深く5裂、副花冠は短く直立 果 実 袋果は細長く、熟すと裂開し種子を飛ばす
高さ 他物に絡みついて伸びる 花 期 7月〜8月
生育地 山野や平地に普通 分 布 本州〜九州
別 名 トサノカモメヅル 花言葉 地味だが存在感のある(花の様子)
渡 来 在来種 近似種オオカモメヅル

和   名 カモメヅルは対生する2枚の葉をカモメの飛んでいる姿に見立てたという。そしてカモメヅルの名がつく中で花が一番小さ い事から小鴎蔓。
細い茎から多くの花柄を分枝し、たくさんの蕾や暗紫色の小さな花をつける様はカモメの群れの賑やかさを 連想させなくもない。
また双生してやや上向きに開いた袋果 が細い茎の先に下がっている様子もカモメの飛翔姿に似ている気がする。
雑   記 小さな暗紫色の花は朝まばらに開いて午後には萎んでしまう。花は小さいが披針形が左右に伸びた袋果は長さ4〜5pで、晩秋 には裂開して種髪をつけた種子を風に乗せて旅立たせる(下掲写真参照)。花の時期から種子が飛ぶまで楽しみに観察できるのははガガイモ科の特 徴だろうか。茎に乳液がありずい柱があるのもガガイモ科の特徴というが、APG分類ではキョウチクトウ科に含められた。
同属のオオカモメヅルは山地に生え、 葉が長さ7〜12pと大きいが、花序は小さく花冠は径5〜7oとコカモメヅルと大差ない。
コバノカモメヅルはカモメヅル属だが、オオカモメヅル属との違いは 花粉塊が水平の柄があってぶら下がる事という。でも花粉塊は肉眼では観察できないので属の識別は容易ではない(世界文化生物大図鑑)ともいう。

09年11月25日作成・2015年8月26日改訂

コカモメヅルずい柱 コカモメヅル副花冠
花の中心に副花冠と雌しべ雄しべが集まって作ったずい柱がある。副花冠は5裂し半球形でずい柱の半分の長さ。
副花冠とは花冠の一部や葯 が変形してできた付属物で、上記は環状の付属物。
コカモメヅルとバアソブ コカモメヅル09年旅立ち
バアソブは小人の国のガリバーのようです コカモメヅルの旅立ち 09年11月22日