<ミゾカクシ(アゼムシロ)(溝隠)>

キキョウ科ミゾカクシ属

学名(属名+種小名)Lobelia chinensis

属名は英国の本草学者Lobelの名前を記念。種小名は中国のの意味
ミゾカクシ 溝隠
撮影:06年6月25日 桜区道場4丁目休耕田にて
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1〜2pの披針形で互生根・茎地面を這い節から根を出す
花冠は長さ約1p。花柄は1.5〜3pと長い 果 実刮ハはこん棒状で約6o
高さ茎は20p位に伸びるが殆ど地を這う花 期6月〜10月
生育地田の畦や湿地に生える多年草分 布日本各地に広く分布
別 名アゼムシロ(畦筵)、半辺蓮(漢名)花言葉意表をつくのが得意な人
渡 来
近似種サワギキョウ

和   名溝隠、畦筵とも繁殖力が強く、溝を隠すくらい、畦を覆い尽くすくらいに繁茂する事からという。で も確かに部分的にはびっしり葉が茂っているのは見るが、さいたま市近郊ではさほど広範囲なのは見た事がない。それより漢名の半辺 蓮は花の形をよく表して面白い。「五弁一方ニ偏生シ菊花ノ半辺ノ如シ。半辺蓮の名あり」と本草綱目啓蒙(1829年小野蘭山訳)にも 記されているようだ。
雑   記「花冠は白色に淡紅色を帯びた唇形、上唇は2深裂して横に開き下唇は3深裂して前方に出る」(日本野生 植物館)と書かれているが、これが唇形花とはとても思えない。でもよく見ると 5弁は基部で合着し、花の形になっている。再生力が強く水にさしておくと根が出てくる。
雄しべ先熟で、下の写真に見るよ うに雄性期には合着した葯の先から数本のひげを出して花粉を出し、終わると柱頭が伸び出して受粉態勢に入り、自家受粉を避けてい る。
花の形はサワギキョウにそっくりだが大きさがまったく違う。

07年6月10日作成・12年7月4日改訂

観察ノート

雄性期のミゾカクシ 雌性期のミゾカクシ
合生した葯の先の数本のひげを押すと花粉が出る雄性期 花粉が無くなる頃柱頭が伸び出して受粉態勢に入る雌性期