<ムラサキケマン(紫華鬘)>

ケシ科キケマン属

学名(属名+種小名)Corydalis incisa

属名はKorydallis(ヒバリ)が語源で、長い距をヒバリの蹴爪に例えた様だ。英名のLarkspurは日本名飛燕草でやはり距を持つ
種小名のincisaは鋭く裂けたの意
ムラサキケマン 紫華鬘
撮影:08年4月9日、秋ヶ瀬公園にて
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ムラサキケマンの刮ハ ムラサキケマン
最初は花冠に包まれているが次第に枯れて落ち、緑色の刮ハが現れる。長さは15oくらいで小さ い(左の写真) 熟した刮ハに触れるとパチンと裂けて丸まり1.5oくらいの種子(右写真で茶色に見える)を飛ばす。09年4月22日追記

2回3出状複葉で小葉も深く切れ込む 根・茎 根茎は短いが地表面に広がる
長さ15oの紅紫色の花を密につける 果 実 刮ハは熟すと黒い種子を飛ばす
高さ 20〜50p 花 期 4月〜6月
生育地 林縁や藪影などの半陰地 分 布 日本全土
別 名 ヤブケマン 花言葉 熱しやすい(すぐだらしなく見える)
渡 来 在来種 近似種キケマン、ジロボウエンゴサク

和   名 華鬘とは仏像や堂塔の頂につける花飾り。もとインドの風俗で、糸で多くの花をつづって首や身の飾りにしたのにはじま り、仏前を荘厳するのに用いるようになった(世界原色百科事典)との事で、花つきの密な花穂を華鬘に見立てたようだ。
中国原産のケマンソウは鉢や庭に栽培される。花は淡紅色でコマクサに似て美しいが、ムラサキケマンとはあまり似ていない ようだ。
雑   記 同属のエゾエンゴサクを利尻島で、ジロボウエンゴサクを南紀で見て距の突き出た珍しい形とその微妙な色合いに強く惹かれ た。
その後ムラサキケマンが自宅近くの沼の縁で枯れ残った萱など雑草に混じって咲いているのを見た。場所的にあまりきれいでなく 、花も終わりに近かったせいもあり印象は良くなかった。
出会いの場所やタイミングで印象が変わる典型みたいで今までよ く見ようともしなかった。でも今年4月初めに秋ヶ瀬公園の森 林で群生している様を見て改めて興味をひかれた。

08年8月12日作成・09年4月24日改訂

観察ノート

ムラサキケマン エゾエンゴサク
花序を上から見ると花は重ならずにうまくついています エゾエンゴサク 03年6月21日利尻島にて