要注意外来植物 <オオオナモミ(大雄菜揉み)>

キク科オナモミ属

学名(属名+種小名)Xanthium occidentale

属名のXanthiumはギリシャ語のxanthos(黄色)に由来。毛髪を黄色に染めるのに使われたオナモミに由来する
種小名のoccidentaleは西方のとか西部の意
オオオナモミ 大雄菜揉み
撮影:左は09年9月5日、右は09年9月13日西区のの荒川堤防にて
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互生し柄は長く葉は3〜5裂し、ざらつく 根・茎 紫褐色を帯びるものが多い
雄花は球形で雌しべだけの雌花の上に付く 果 実 果苞(壺状体)に2個の痩果が入る
高さ 80〜200p 花 期 8月〜10月
生育地 堤防、荒地や路傍などに生える1年草 分 布 北海道〜九州
別 名 花言葉 八方美人(イガイガで何にでもつく)
渡 来 メキシコ原産で1929年に岡山で発見 近似種オナモミ、イガオナモミ

和   名 大雄菜揉みで菜揉みは「古代の強壮薬”神麹”を作成する時、葉や青い実を揉んだ汁を米麹などに加えて作った。この時の動 作[菜揉み]が名前の基本になった」(山渓名前図鑑 野草の名前)という。雄は小さめの雌ナモミに対して雄ナモミ、在来種のオナ モミより大きい外来種が大オナモミとなった。
勿(な)揉み説も併記され、イガイガの果苞が付いても一日経つと落ちるので揉 むなの意味の語源説もあるという。
ナズムの意のナゴミからナモミに転訛したものでナズムはとどこおりひっかかるという意味でイガイガに因む との牧野説もある
雑   記 キク科はほとんどが虫媒花だがオナモミ属は風媒花という。雌雄同種で雄頭花は多くの黄白色の雄花が球形に集まり、管状の花 冠から伸び出す5本の雄しべは花糸が合着して1個の筒となり葯は離生してヒトデのように広がる。雌頭花は花冠が無く雌しべのみが 総苞から伸び出す。雌しべのみの雌頭花は総苞に包まれたまま成熟し、2個の痩果を包んだ果苞(壺状体)となる(下の写真参照)。
同じオナモミ属のイガオナモミは戦後日本に帰化した大形の1年草で、果苞がオオオナモミより大きく刺の表面に鱗片状の毛 を密生する。在来種のオナモミは外来種に圧倒されて数を減らしているという。

10年10月16日作成

観察ノート

オオナモミ雄花 オオオナモミ雌花
左はオオオナモミの若い雄頭花、右は雌頭花で壺状の総苞から雌しべが伸びる
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元荒川の河川敷を覆い尽くすオオオナモミ 雄頭花の小花も雌頭花の小花の雌しべも伸び出しています
元荒川の河川敷を覆い尽くすオオオナモミ 10年10月13日 葯が広がり雌しべが伸びて結実を急ぐ元荒川の河川敷の個体