<セイバンモロコシ(西蕃蜀黍)>

イネ科モロコシ属

学名(属名+種小名)Sorghum halepense

属名のSorghumはサトウモロコシの古名でイタリア語のsorgoから。種小名のhalepenseはシリアの意
セイバンモロコシ 西蕃蜀黍
撮影:左は11年7月28日、右は11年8月12日 いずれもさいたま市の荒川堤防
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ススキによく似る。無毛で白い中肋が太くて目立つ 根・茎 葉舌のある茎は太い。根茎は長く伸びる
風媒花。小穂は有柄の雄性と大きくてノギのある無柄の両性がセット 果 実 苞頴は硬く黄褐色で光沢がある
高さ 1〜1.8m 花 期 7月〜10月
生育地 路傍や堤防などや撹乱地に生える多年草 分 布 戦後全国に急激に広がる
別 名 花言葉 唯我独尊(他を圧して大きい)
渡 来1943年に千葉で採取される近似種 モロコシガヤ

和   名 西蕃蜀黍で西蕃は「西の方に住んでいる野蛮な種族。西方の蛮族。また、西域(せいいき)」(日本国語大辞典)とあり、地中海 原産のモロコシの意。
大型で若葉に青酸化合物を含むのは将に西方の蛮族と言うべきで、それこそ牛も見向きもしないという。
雑   記 2006(平成18)年の1〜3月に羽倉橋〜さくら草橋間の堤防上を舗装したのを手始めに本格化したさいたま築堤工事は、当初完成予定の2012(平成24)年をとっくにオーバー しながらまだ先が見えない。
しかしながら堤防の風景は全く変わった。四季を知らせていた在来の植物たちがほとんど見えなくなり、セイバンモロコシに代表される 大形の外来種が跋扈している。
穂が出ないうちの若葉は若草色の目をひく株を作り、 一面に繁茂していた。それを見た時はススキかなと思い、まさかセイバンモロコシとは思いもつかなかった。いずれにしても根茎、種子の両方で繁殖するため、堤防、 牧草地の強害雑草となっている。

12年8月2日作成・2015年9月2日改訂

観察ノート

セイバンモロコシ小穂 セイバンモロコシ雌しべ
芒のあるのは両性の小穂、葯が見えます 白い綿毛のような雌しべと、葯も見えます