<ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)>

マメ科ササゲ属

学名(属名+種小名)Vigna angularis var.nipponensis

属名Vignaは17世紀イタリアの植物学者に因む。種小名のangularisは稜のあるとか、角ばったの意
ヤブツルアズキ 藪蔓小豆
撮影:左の写真は2013年9月7日、右の写真は2008年9月6日いずれも田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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互生し3出複葉で小葉は全縁、短い柄がある 根・茎 茎には黄褐色の開出毛がある
舟弁は2枚が合わさって雄しべ、雌しべを挟む 果 実 細く長い円筒形で、中には10個くらいの種子
高さ 他物に茎を絡めて伸びる 花 期 9月〜10月
生育地 日当たりのよい草地 分 布 本州から九州
別 名 花言葉 へそ曲がりの(花が左の偏って曲がる)
渡 来 在来種 近似種ノアズキ

和   名 読んで字の如しで藪に生える蔓植物の小豆の意味。
「アズキの語源は不明であるが、古書に赤小豆をアカツキと読 ませているものがある。またアカツブキ(赤粒木)、アツキ(赤粒草)説もある」(新牧野日本植物図鑑)とあるが、意味不明。
花と樹の事典には@アは小の意。ツキは角があるの意。Aアは赤、ツキはトケ(解)の意味。他の豆より早く溶けやすいため。 Bアは赤、ツキはツク(搗く)。臼でつくため。などその他諸説があげられている。
雑   記 一般的に花は放射状相称か左右相称で、蝶形花冠はマメ科マメ亜科の花冠を言い左右相称が多い。上位の旗弁1個、中位の翼弁2個、下位の竜骨弁(舟弁) 2個からなり、竜骨弁は合着して雄しべ雌しべを包む。しかしヤブツルアズキは非相称で花が左に偏って渦を巻いているのがユニークで面白い。
田島ケ原サクラソウ自生地 では夏の終わり頃からツルマメ、ヤブツルアズキ、ヤブマメの順に花を付ける。小さな可愛いい花をたくさん付ける ツルマメ、兄さん株のヤブツルアズキ、ピンクの可愛い地中果も付ける奥ゆかしいお姉さん的な ヤブマメと3者3様のマメ科3兄妹だ。

09年10月19日作成・2015年9月6日改訂

観察ノート

ヤブツルアズキ ヤブツルアズキ花
竜骨弁が合着して筒になり雄しべ雌しべを入れ、それを左の翼弁が包んでいる。普通蝶形花は左右相称だがヤブツルアズキは非相称
ヤブツルアズキ+クマバチ 種子を吐いた殻
クマバチが竜骨弁(舟弁)の吸蜜口に潜り込んでいる 小豆に似ているが、ずっと小さい種子がまだ残っている