初夏のイーハトーブ花紀行 その2
賢治が愛した種山ヶ原を訪れました 5月14日
「風の又三郎」の舞台ともなった種山 ヶ原は住田町、江刺市、遠野市にまたがる高原です。
種山ヶ原森林公園
森の科学館
森のフィール ドノートより
菫が路傍のソコココに可憐な紫色の花を つけている種山ヶ原森林公園を訪ねました。やっと新芽が芽吹き始めた雑木林には、よく整備されたトレッキングコースが続いていました。生憎と3月中旬並の寒い 雨模様の午後になってしまいましたが、土筆や少し伸び加減の 蕗の薹の群生などは新鮮な驚きでした。
でも、他の植物に先駆けて早春に花咲き、 夏には早や枯れてしまうというスプリングエフェメラル。これらの花々と出会うには少し時期が遅かったようです。カタクリの広場だけでなく、広く見られた片栗 の花は総てうなだれ、せせらぎのほとりに群生していた二輪草も総て閉じていたのは、気温が4度位の雨模様の悪天候が重なっては止むを得ませんでした。
17度以下の日や雨の時は開かないという片栗ですが、 まして時期はずれでは何をか言わんやです。
雨の日は花開かない二輪草ですがこの一輪だけ が咲いていました。それぞれが小さな蕾をつけているのは名の由来通りですね。
住田町発行の「森のフィールドノート」 によると種山ヶ原森林公園には、昭和30年代に植林されたカラマツ、アカマツを中心に、およそ樹木68種、草本81種と多様な植物が生育しているとの事です。
宮沢賢治流の色の表現を使うと、この日は 写真のようにまだ葉を付けていない鳶色の雑木の向こうに、鶸色のやわらかな林床、そして遅咲きの鴇色の桜の花が遠望できました。
オオタチツボスミレ
ヒナスミレ
ミヤマスミレ
※菫は一番ポピュラーなタチツボスミレが圧倒的でしたが、比較的数が 少ないと思われる3種を掲載しました。
その他見られた主な花々: 猫の目草白花延齢草延齢草深山黄華鬘山延胡索猩々袴
種山ヶ原森林公園へのホームページには多くの花等が公開されています。
注:鳶色(とびいろ)=トビの羽のようなこげ茶色、鶸色(ひわいろ)= ヒワの羽のような黄緑色、鴇色(ときいろ)=トキの羽のような淡紅色
イーハトーブ 人と自然が平等な世界こそ 理想郷として、宮沢賢治が描いたドリームランド・岩手県