早くから明るい朝にも拘らず、カラスウリやメマツヨイグサの花が見られました

カラスウリ
空には雲が全くなく明るい朝で、5時半にはもう地上に影ができる程の陽射しが射していた。
そんな明るい朝にも拘らず鴻沼川沿いの秋ヶ瀬緑道のフェンスではカラスウリの花が残り、NHKの電波塔の周囲には メマツヨイグサの花が2日連続で開いていた。
シーズン中には両者とも朝は暗い内から花を閉じてしまうが、まだシーズン終了間際とは思えないのに不思議な現象だった。

 ニガカシュウの長い花穂が数多く垂れ下っていました

ニガカシュウ
自転車道迂回路のフェンスにはヘクソカズラ、ヤブガラシ、ノブドウの3種が圧倒的で、その中にカラスウリやヒルガオ などが点在するのを眺めながらゆっくり走らせていると、去年から自生地でオニドコロみたいだが、どこか違うと思っていた大きな円い葉があった。
花らしきをつけた長い花穂を多く垂れさげていたので、よく見ると花弁が6枚の花で、オニドコロの花とは全く違う。 アレコレ観察して写真を撮って調べてみるとあった。同じヤマノイモ科のニガカシュウ(苦荷首烏)だった。
葉はほぼ円形で下部の左右が張り出さず、葉柄の基部には縮れたひれのある事と、珠芽ができるのが特徴で、花は紫色を 帯び花序はみな垂れ下がる(野草図鑑)とあった。見たのは白色だったが次第に紫色を帯びるようだ。
雄花は無柄、苞と少苞がある。花被片は6個、披針形、鈍頭、長さ2mm。雄しべ6個。雌株は葉腋から長い穂状花序をだす。 花被片は6個、披針形、鈍頭、長さ2mm。雄しべは6個、花柱は長さ0.7mm、先は3裂。(松江の花図鑑)
後日自生地で葉柄の縮れたひれと、ごつごつした珠芽を確認したが葉柄のひれは基部と葉の付け根両方にあった。
ニガカシュウ ニガカシュウヒレ
葉はオニドコロに似るが基部は左右に張り出さない 凸凹した珠芽と葉柄の根元にも先にもヒレがある

 2.5メートルを超えていたとはいえ、オオブタクサが強風に負けるとは以外でした

この日は11時15分頃、毎朝通っている河川敷の原野に着いて、朝露に悩まされる事無くオオブタクサを55本ばかり抜いた。
今年はオオブタクサの芽生えを4月8日から抜き始めて、取り敢えず5月18日までで一段落として、その後の観察のための 標本草を2本小高い丘に残しておいた。
オオブタクサと戦闘開始第一クール2014参照
6月27日撮影の標本草
6月24日には2本とも2メートルを超え、左は根元から2枝を斜め上に伸ばし主軸と共に高く伸び、右は主軸がまっすぐ伸びて 横に何本も枝を張って幾分低いがガッシリしていた。(左の写真)
2本の標本草の根元
7月26日にシムラニンジンを撮影しに入った帰りに標本草の根元に分け入ってみたら、思ってもみない結果でビックリ。
右側の一本は根元近くで折れていた。強風に耐えきれなかったようだ。完全に折れたのではなく、まだ繋がってはいて生きて いる。 立ててみると2メートル50くらいはありそうだ。
根際で3本に分枝している大きい方が残り、これはもう3メートルはありそうだった。遠目に1本にしか見えなかったのは 道理だったが、意外な結果に標本草を2本とも抜いてしまうつもりだった気持ちが、すっかり萎えて戻ってきてしまった。

 河川敷で出会った生き物たち

さいたま築堤の工事はますます進みアスファルトの面積が増え、盛土された堤防にはアメリカオニアザミやセイバンモロコシ そしてダキバアレチハナガサなどの大型の外来種が繁茂している。
アゲハ吸水
キアゲハ"/ ツマグロヒョウモン♂
キアゲハ ツマグロヒョウモン♂
左は地面をアチコチ飛び回り給水行動中のアゲハ。
蝶がなぜ給水行動をするのかはハッキリとはわかっていないようで、主に下記の2説があるようだ。
暑い夏の日に見られることが多い事から体温調整ではないかという説。また羽化した直後のオスに多い事から活発に動き 回れる成分を補給する為とも言われている。
アオサギ カブトムシ
土手に座り朝食をパクついていた時水路にきたアオサギ クヌギの樹液に来ていたアオコガネとカブトムシ
シムラニンジン
シムラニンジンは環境省のレッドリスト 絶滅危惧U類(VU)。2oほどの小さい多くの花を複散形花序につけるのはセリ科の特徴
この日も早朝に家を出て、途中土屋の堤防から水田を眺めながらパクついた朝食用のおにぎりの味は格別だった。でも 出会う生き物たちはだんだん少なくなっているような気がする。いつまでも多くの動植物が生息できる荒川河川敷であってほしいと願う。
平成26年8月16日作成