<アカメヤナギ(赤芽柳)>木本

ヤナギ科ヤナギ属

学名(属名+種小名)Salix chaenomeloides

属名Sakixはラテンの古名。色々説があるようだがケルト語のsal(近い)+lis(水)で水辺に多いから。
chaenomeloidesはボケ属に似たの意で托葉がボケに似る事から。
アカメヤナギ 赤芽柳
撮影:左は田島ケ原サクラソウ自生地の雌株 12年5月5日、右は荒川河川敷の雄株 12年4月28日
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長さ5〜15p幅2〜6cmの楕円形。托葉は鋸歯のある円形 根・茎 枝は横に広がり樹冠は平たい円形。樹皮は灰褐色
雌雄別株。雄花序は約7p雌花序は約4p 果 実 刮ハ。裂開して柳絮を飛ばす
高さ 高さ10〜20mだが横に広がる 花 期 5月
生育地 水湿地を好み河川敷に多い 分 布 東北地方以南の本州、四国、九州
別 名 マルバヤナギ(丸葉柳) 花言葉 意外性の大きい(柳には見えない)
渡 来 朝鮮半島、中国中部以南 近似種タチヤナギ

和   名 赤芽柳は新芽や若葉が赤味を帯びる事からだが、ネコヤナギの雑種のフリソデヤナギの別名も冬芽が赤いのでアカメヤナギという。 別名の丸葉柳はヤナギ属の葉にしては丸い事から。
柳は「古く、矢を作る材料としており、矢を作るのに用いる細い竹を「矢の木 」といったことから「ヤノキ」が転じた」(語源由来辞典)説が有力のようだ。
雑   記 田島ケ原サクラソウ自生地でサクラソウの時期にボランティアで説明活動をしているが、自生地内にはアカメヤナギが1本ある。 軟らかい若葉を付けようやく花穂を立て始める頃でこの木をアカメ ヤナギと言うと90%以上の人が半信半疑だ。本来柳はヤナギ属の総称なのに、柳というと一般的にはシダレヤナギを指す事が多く、葉も 細いイメージが定着している。
ヤナギ属は雑種を作り易いようだが日本には主な種だけで30種あり、このうち葉が細長い種は17種、 楕円形または広楕円形の種は13種という。
ヤナギ属の主な特徴は雌雄別株で、花弁の無い小さな花が集まって穂を作る尾状花序なのに 虫媒花。刮ハは成熟すると裂開し綿毛に包まれた小さな種子の柳絮 (りゅうじょ)は風で運ばれる。ヤナギ属で葉の展開後に花を付けるのはアカメヤナギだけで、花期は一番遅いという。

12年6月15日作成 2013年2月13日改訂

観察ノート

雌花穂 雄花穂
雌花穂は約4p。花柱はほとんど無く柱頭も小さい 11年4月20日 雄花穂は長さ約7p。雄しべは一つの花に3〜5個 11年4月30日く
樹下の柳絮 落ちた雄花穂
風のあまりない日は樹下に柳絮が淡雪のように積る 11年5月21日 雄花穂は花粉を出すと落ちるので雄株の下はいっぱい 11年4月30日