<カナムグラ(鉄葎)>

アサ科カラハナソウ属

学名(属名+種小名)Humulus japonicus

属名Humulusはホップの低地ドイツ語をラテン語化したもの。
種小名はjaponicusとよじ登る意のscandens(新 牧野日本植物図鑑)の両方がある
カナムグラ 鉄葎
撮影:左の写真は08年9月27日、右の写真は08年10月14日いずれもさいたま市桜区の荒川河川敷にて
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長い柄があり対生、掌状に5〜7裂する 根・茎 茎には稜上に下向きの刺があり他物に絡む
雄花はツリー状に付き、雌花は扁円形 果 実 扁円形で径5o、紫褐色の斑がある
高さ 他物に茎を絡めて伸びる 花 期 8月〜11月
生育地 荒地や道端などあらゆる所 分 布 日本全土
別 名 ヤエムグラ 花言葉 真打ち的な(蔓植物の掉尾を飾る)
渡 来 在来種 近似種カラハナソウ

和   名 鉄葎で蔓が丈夫な事を鉄に例えた。葎は繁茂する意味で繁殖力旺盛な事を表わしている。上掲の2枚の写真は左が雄花の群 生、右が雌花の群生だが両者とも葎の名に恥じない凄まじさだ。
平安時代中期の歌人恵慶法師の「八重葎しげれる宿の寂し きに人こそ見えね秋は来にけり」のヤエムグラはカナムグラとの説が有力のようだ。アカネ科のヤエムグラは5〜7月に淡黄緑色の 小さな花をつけ、秋までには姿を消してしまい、秋に繁茂しているのはカナムグラだから。
雑   記 雌雄異株で雄株は雌株に先駆けてツリー状の花柄にたくさんの雄花をつける。そして間もなく5本の葯から大量の花粉を飛散さ せる。雌花は苞葉に包まれ10個内外が集まり下向きにつくが、緑色の 時にはとても花とは思えない。次第に赤褐色になるとどうやら花らしくなる。
従来はクワ科アサ亜科カラハナソウ属に 分類されていたが、乳液が無い事、花が5数性である事、胚が螺旋形になる事などの点で他のクワ科植物とは異なっている(世界 文化生物大図鑑)との事で最近は独立のアサ科として扱われる事が多いようだ。
同属のセイヨウカラハナソウはホップの原 料となる。

09年11月4日作成

雄花 雌花
5枚の萼片の下に垂れているのが葯で花粉を飛散する 緑色から赤褐色になった雌花、果実も赤い斑がある
カナムグラ雄株、雌株
雄株はもう花粉を飛ばし、雌株はこれからまだ伸びそう