<トダスゲ(戸田菅)>

カヤツリグサ科スゲ属

学名(属名+種小名)Carex aequialta

属名Carexは一説にギリシャ語のkeiro(切る)を語源とする。aequialtaは同形のとか同大の意
トダスゲ 戸田菅
撮影:左は12年4月30日、右は10年4月20日、いづれも田島ケ原サクラソウ自生地にて
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約5oの線形で中央脈は凹み表面はざらつく 根・茎 茎はハッキリした3稜形で硬い。
花被片は無く雄しべは2〜3個、雌しべ1個 果 実 果胞は膨らんで粟のように見える
高さ 50〜80pで3〜5本の茎が集まって株になる 花 期 4月〜5月
生育地 河川敷の氾濫原などに生える多年草 分 布 関東、濃尾、熊本の平野
別 名 アワスゲ(粟菅) 花言葉 不死身の(戸田ヶ原では絶滅したと思われた)
渡 来 在来種 近似種テキリスゲ

和   名 埼玉県の戸田ヶ原に生育していたのに因むという。一時絶滅したと思われていたがその後生育が確認され保護が進んでいる。 しかし埼玉RDB2011年版では「個体数は少なく、100未満。自生地が開発計画にかかり一部移植もしている。自生の株はますます減少し ている。」と記されている。
環境省レッドリストの2012年の見直しで絶滅危惧TB類(EN)から 絶滅危惧TA類(CR)にランクアップされた。埼玉カテ ゴリーでも絶滅危惧TA類(CR)。
別名のアワスゲ(粟菅)は丸く膨らんだ果胞を粟に見立てて牧野博士が命名。
雑   記 茎の先に2〜3個の小穂が付き頂小穂は雄性で長さ2〜3.5cmの線形、側 小穂は長さ3〜5pの円柱形。花は単性で花被片は無い。雄しべは2〜3個、雌しべは1個で 果胞に包まれ柱頭2個は花後早く脱落する。
田島ケ原サクラソウ自生地では観察路脇に無造作に生育していて地味なスゲ属なのであまり希少種の感覚が無いのは要注意だ。

12年6月10日作成

観察ノート

トダスゲ花穂 トダスゲ柱頭
トダスゲの雄花穂(真中の黄土色)と両脇の雌花穂 12年4月25日 上は雄花の葯で果胞からは2個の柱頭が伸び出している 11年4月20日