<ツルフジバカマ(蔓藤袴)>

マメ科ソラマメ属

学名(属名+種小名)Vicia amoena

属名Viciaはラテン語のvincire(巻きつく)が語源。amoenaは愛すべきとか人に好かれるの意
ツルフジバカマ 蔓藤袴
撮影:左の写真は09年8月30日、右の写真は09年8月23日いずれも田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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羽状複葉で小葉は10〜16枚、やや質が厚い 根・茎 茎は稜があり、少し軟毛が生える
紅紫色の約15oの蝶形花をつける 果 実 豆果は2〜3pの長楕円形、に3〜5個の種子
高さ 80〜180p 花 期 8月〜10月
生育地 山野の草地や堤防 分 布 北海道から九州
別 名 花言葉 優等生(紅紫色の花はきれい)
渡 来 在来種 近似種ナヨクサフジ、クサフジ

和   名 蔓藤袴という意味で、紫色の花をフジバカマの花になぞらえたものである(新牧野日本植物図鑑)というが薄紫のフジバカ マより色はかなり濃いし、形はまるで違う。
花がフジに似てつる状である事から蔓藤、托葉が袴に似ているというので、袴の 名がついた(四季の野の花図鑑)という由来説もあるがこじつけ臭い。
藤色の袴と考えて、一つの花で見ると萼が腰で花弁 の形を袴に見立てられ、花序全体で見ると上部が蕾だと袴に見える(野草の名前)とこちらも苦しい。
雑   記 クサフジが見られなくなってしばらくして、8月に入ってから花が見られる。ツルフジバカマもクサフジ同様、爪部と舷部は同長で、 爪部の長い外来種のナヨクサフジなどとは異なる。ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)などのソラマメ属の葉は偶数羽状複葉で頂小葉 が無く、先が巻ひげになっているものが多い。そして花柱が円柱状で長い毛があるのが特徴という。
クサフジなどの葉は乾燥して も緑色なのに対し、ツルフジバカマの葉は乾燥すると暗赤褐色に変化する。

09年9月1日作成・2015年9月9日改訂

観察ノート

ツルフジバカマ ツルフジバカマ托葉
花は紅紫色で少し大きめ 托葉は硬くて先が尖り、袴に見えない事も?
蝶形花のツルフジバカマ ツルフジバカマと花柄
蝶形花は左右相称で旗弁1、翼弁2、竜骨弁2の5花弁で構成する 外来種の花柄は萼の横につくが在来種は萼の後ろにつく