<ウマノスズクサ(馬の鈴草)>

ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属

学名(属名+種小名)Aristolochia debilis

属名のAristolochiaはaristos(最良)+lochia(出産)の意、曲がった花の形が胎内における人間の胎児を連想さ せ、また基部の膨らみが子宮を思わせるので、出産を助ける力を持つと考えられた。種小名のdebilisは弱小なとか軟弱なの意
ウマノスズクサ 馬の鈴草
撮影:左は07年7月12日、右は08年7月17日いずれも田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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長さ3〜7p、先はまるく基部はハート形 根・茎 茎は細く無毛で新芽は暗紫色
花弁は無く萼がラッパ状になり基部が丸い 果 実 刮ハは球形で6裂、径1.5p
高さ 蔓は1〜3mほどで他の草に巻きつく 花 期 6月〜8月
生育地 山麓や平地の林縁、土手にも 分 布 関東以西、四国、九州
別 名 馬兜鈴(ばとうれい)漢名・生薬名 花言葉 ユーモアのある(特異な花の形)
渡 来 在来種 近似種オオバウマノスズクサ

和   名 馬の鈴草は刮ハを馬の首につける鈴に見立てた。球形のものとも、熟して細い6本の糸でぶら下がった6裂した形を例えたと も言われる。
漢名でもあり実の生薬名でもある馬兜鈴は戦場で馬の顔の正面に付けた 馬兜の形に葉が似るからという。
雑   記 とにかく花がとても花とは思えない個性的な形だ。 斜めに切れてこげ茶色の口をあけているのは萼が変形したものという。
丸い部分に花糸の無い葯が花柱に合着してあり、 その下の花茎みたいな所に子房があるという。特殊な作りで花粉を媒介するポリネーターはショウジョウバエのようだ。結実率が 非常に低く、その上形の面白さから自然界ではナカナカ見られなくなっている。
ジャコウアゲハの食草。ウマノスズクサは 有毒でそれがジャコウアゲハにも引き継がれ、身を守る結果になっているという。

08年7月17日作成・09年7月26日追記

観察ノート

ウマノスズクサ ウマノスズクサ刮ハ
小さい花がニョキニョキと可愛い 08年7月6日野川公園 長さ2.3cm、たった1個の刮ハ 08年9月7日野川公園