プロローグ 07年10月16日(火)曇

今年は夏が暑かったせいか稲刈り後の田圃も畦道も異常に乾燥していたり、台風9号の被害の影響も残って秋の田圃の風景は寂しい感じがします。
 今年の秋にもう一度観察して去年の事を振り返ろうと思っていたのが、休耕田が今年は稲作に転じてしまいました。喜ばしい事ですが私にとってはあてが外れました。
 そんな事で自分の記憶が鮮明な内に去年の、「ある休耕田の晩夏から秋の風景」を写真を中心にまとめてみました。

06年8月27日(日)曇 06年9月7日(木)曇

8月27日、今まで気になりながらブッシュ越しにしか眺められなかったホソバヒメミソハギの群生している西区の休耕田に近づけた。水が少なくなり隣の田圃との畦の入口にどうやら入り込めた。
9月7日は他の休耕田の時間が長く、15時40分頃ホンの数分立ち寄ったのみだった。
ホソバヒメミソハギ 細葉姫禊萩の花
ホソバヒメミソハギの茎・葉細葉姫禊萩の花径は5ミリくらい

06年9月10日(日)晴 AM10時58分〜11時23分

隣の田圃の刈入れが終わって、ようやく境の畦道が通れるようになり奥まで入った。そこにはキクモの大群生地があった。ホウキギクやチョウジタデ、アメリカアゼナなど水田植物の宝庫だった。
キクモの群生
絨毯を敷きつめたようなキクモ(菊藻)の群生です。ゴマノハグサ科の湿地、水田などに生育する沈水・湿性植物。

キクモの花 アメリカアゼナ
キクモ(菊藻)の花冠は筒状で長さ8ミリくらいアメリカアゼナの葉には鋸歯がある

06年9月17日(日)うす曇 PM12時20分〜12時55分

西区の水田地帯には休耕田が4〜5箇所あるが、それぞれ生えている植物の勢力分布があり面白い。特に細葉姫禊萩と菊藻、オモダカとコナギ、ヒメガマとシロバナサクラタデ、などが主の休耕田は中に入れてそれこそ興味は尽きなくこの日は2時間以上休耕田回りをしてしまった。
ホウキギク キクモ チョウジタデ
花は径8ミリくらい葉が菊に似るので菊藻花後の形が丁字に似るから丁字蓼

06年9月25日(月)曇時々晴 PM12時49分〜1時20分

ホソバヒメミソハギ
主に茎と実が紅葉しています。実は径4ミリくらいで艶があります

細葉禊萩の休耕田は紅葉し始め、菊藻、箒菊など興味は尽きない。ツマグロヒョウモン、アキアカネなども飛来し秋本番だ。
アキアカネ ホソバヒメミソハギ ツマグロヒョウモン
赤とんぼの代表種果実だけが紅葉していますツマグロヒョウモンの雌

06年10月11日(水)曇 PM1時18分〜1時32分

細葉姫禊萩と菊藻も紅葉してまさに紅葉の競演だった。菊藻の花はシーズン初めのように午前中で閉じることなく終日咲いているようになった。背の高い箒菊は秋風に気持ちよく揺れていた。
ホソバヒメミソハギ
まさに秋本番です。

細葉姫禊萩 菊藻
葉は対生。長さ8pくらい菊藻の花はよく見ると神秘的

06年10月19日(木)晴時々曇 PM12時23分〜12時52分

さすが細葉姫禊萩の紅葉は終わりかけていたが、菊藻と競演の紅葉の世界はまさに秋たけなわ。至福の時だった。菊藻の茎が20p以上も地表に伸びていたのにはビックリ。ふんわり絨毯の上を歩いている感触の理由を知らされた。
菊藻の紅葉
9月10日の緑の絨毯がウソのように赤い絨毯に変わったキクモ(菊藻)の群生

細葉姫禊萩 菊藻
さすが果実は成熟しきったようです菊藻の茎は地表を20p以上伸びていました

エピローグ 06年10月22日(日)曇 PM2時10分

休耕田
神秘的とも言える秋の豊かな変化を実感させてもらった秋の日の5〜6日でした。本当に豊かな時、至福という言葉が自然に口をつきそうになる素晴らしい時を過ごさせてもらいました。
今日はその休耕田がきれいに刈られていました。私の秋も終わったような気持でした。有難うございました。
平成19年10月16日作成