錦乃原桜草園には「サクラソウまつり」の赤い幟がたっていました

08年4月16日の錦乃原桜草園には「サクラソウまつり」の赤い幟が立ち、錦乃原櫻草保存会の人たちが詰めていた。いつも立入禁止になっているので一瞬入るのを躊躇した。
錦乃原桜草園
錦乃原桜草園
不思議に思っていたので尋ねるとオープンにしておくと荒らされてしまい中には自動車のまま入って来たケースもあり、盗掘もされないよう止むを得ない措置と言う。
錦乃原桜草園の看板の裏側に
昭和9年(1934)国の天然記念物に指定され、徳富蘇峰が錦乃原と命名したが、戦後の食糧増産のため一時消滅せざるを得なかった
事など錦乃原桜草園の由来が書かれています
戦後一人で始めたという桜草園の復活は今では錦乃原櫻草保存会ができ、市も年に一度の除草の費用は出して くれる様になった由で、地元のボランティアが主体となっている桜草園だ。

桜草は花の形、色、中心の目が違って観察すると面白い

規模は田島ヶ原に及ぶべくも無いが、桜草をすぐ間近に見られるのは錦乃原桜草園の何よりのメリットだ。
壇状の花壇 栄小学校花壇
曲線に沿って咲いていますが萱が伸び始めました 小学生達が毎年移植をしているようです
桜草は筒型の合弁花だが平らに開いた花弁状は普通は5片。でもよく見ると6片のものも見られるし、まれに4片もあるので探してみると楽しい。6片や4片の桜草を見つけると幸運が舞い込むかも。
また裂片の形も様々で隙間の大きいもの小さいもの、先端が大きいもの桜の花に似たものと種々様々だ。そし て花の中心もよく見ると緑色の雌しべの頭が見えるピンの目、黄色い5つの葯がのぞけるブラシの目がある。
サクラソウ 桜草 さくらそう
上の3枚はそれぞれクリックすると大きくなります(真中の写真は筒状の花冠が見え合弁花と分かります)
花の色はそれこそ色とりどりだ。薄いピンクから濃い紅色まで様々、殆ど白花に近いものもある。
このように一口に桜草といっても形も色も千差万別でそんな違いを楽しむには絶好の桜草園だ。
キクモの花 アメリカアゼナ
比較的隙間が多く中心は雌しべのピンの目でしょうか 裂片の下の方はかなり細くなっています
キクモの花 アメリカアゼナ
周りの白い処の幅が広くブラシの目のようです 6片に分かれた先の切れ込みが深い感じです

ノウルシとトウダイグサの比較も面白い

錦乃原桜草園の看板のある道路脇にはトウダイグサが多く見られる。同じトウダイグサ属でよく似ているノウルシは園内に群生していて地区が分かれているのも面白い。両者とも切ると白い液を出す有毒植物。花の付き方が独特で、杯状花序といわれるつぼ型の中に不定数の雄しべと雌しべが伸び、周りには腺体をつける。
両者の違いはノウルシの子房はイボイボがあるがトウダイグサには無くすべすべした球体だ。またノウルシの包葉には鋸歯が無いが、トウダイグサには細かい鋸歯がある。
ノウルシ トウダイグサ
丸い子房が立って黄色いのは蜜を分泌腺体です 左のノウルシよりはまだ若いトウダイグサ
写真はいずれも08年4月16日に撮影しました
※08年の錦乃原桜草まつりは4月20日(日)〜22日(火)でした
※錦乃原桜草園は西区二ツ宮・治水橋南側
08年4月18日作成・09年4月10日改訂