早朝には閉じていたニガナの花は帰路には殆どが柱頭を開いていました

5月27日の朝の空はどんよりとした雲に覆われ道路は未明までの雨で濡れていた。
桜区道場のニガナの群生地に着いたのは6時前だったが全 ての花は閉じていた。帰路10時30分頃には開花していて、個々の花をよく見ると花粉を飛ばし終わって雌しべの柱頭が開いてい た。前回21日には殆どが花粉をつけた雄性期だった事を考えると一週間くらいの間、夜には閉じて明るい日中だけ咲く花なのだ ろう。
雄性期のニガナ 雌性期のニガナ
褐色の先端に黄色の花粉をつけたニガナ 5月21日 雌しべの先端がくるっと巻いて柱頭を開いたニガナ

西遊馬、盛土済み堤防の舗装の両工事とも慌ただしく行われていました

盛土上の舗装
西遊馬築堤工事は7時半前の早朝からショベルカーが動き、工事の人達が慌ただしく働いていた。工期末を控え多雨期に入 る前に終わらせる為に大車輪なのだろう。
5月末日までの予定で羽根倉橋から荒川運動公園手前までの盛土した堤防上の舗装工事は堤防下から見上げた限りでは舗装用の車 両が動き、周囲で人々が働いていていた。

新しく盛土された所では色々な植物が生育し、コチドリが鳴きながら飛び交っていました

新しく盛土された所は草花の密集度が少なく色々な植物が観察できて面白い。栽培種などが野生化した種は繁殖力も強いた め多く見られ、元々生えていた植物なども育っている。
一番多いのは何と言ってもキク科のノゲシやオニノゲシ、オオバコ科のヘラオオバコやキク科のハルジオンそしてギシギシ、シ ソ科のミゾコウジュも目立ってきた。そんな中で江戸時代に園芸用として渡来したというアオイ科のゼニアオイが紅紫色の鮮や かな花をつけ大株もあった。ゼニアオイと同属で、葉が銭に似ると云う戦後渡来した外来種のゼニバアオイ(銭葉葵)も白い小 さな花を開いていた。
ゼニバアオイ ヒロハノカワラサイコ
茎は地を這って円形に広がる。右上は花のアップ バラ科キジムシロ属のオキジムシロ(外来種)10.8.25訂正
ミヤコグサ コメツブツメクサ
花が烏帽子に似ているので別名エボシグサのミヤコグサ 花の上は枯れた花に包まれた果実。シャジクソウ属の特徴
畔などに多くいつもあまり花が咲いているのを見た事が無いバラ科のヒロハノカワラサイコ(広葉の河原柴胡)も黄色い花 を全開していた。キジムシロ属だが他の種より雑草然としてあまり印象はよくない。
この時にはてっきりヒロハノカワラサイコと思ったが、絶滅危惧U類にしてはあり過ぎ、おか しいと思い続けていたところオキジムシロの存在を知りその特徴と言われる痩果を確認してハッキリ間違いに気付きました。同 じバラ科キジムシロ属のヨーロッパ原産の外来種オキジムシロに訂正します。平成10年8月25日
小さいが鮮やかな黄色い花はミヤコグサ(都草)。京都に多く見られたのが名の由来という。今までは9月か10月にしか見 ていないので、花期が長いのかと思い図鑑を確かめたが5〜6月としかなかったのは不思議だ。
マメ科のコメツブツメクサ(米粒詰草)別名コゴメツメクサ、キバナツメクサは紅葉した葉の上に黄色い花をたくさんつけ ていた。この草は春と秋の2回紅葉するようだ。「日本の帰化植物」によると1935年赤羽の荒川岸で檜山庫三が見つけ命名したヨ ーロッパ、西アジア原産の外来種。
ムシトリナデシコ ヒルガオ ノゲシ
ムシトリナデシコ ヒルガオ ノゲシ
コチドリ
鮮やかな紅色のムシトリナデシコもあった。あまりの鮮やかさに野生種では無いと見当がつくが、江戸時代に観賞用に導入され たものが各地で野生化しているという。
地面に盛り上がった真っ黒な実の集団をカラスノエンドウと確認して目を転ずると、ヒルガオが地上僅かに伸びた茎に大きな花 を一輪付けていた。そして近くにはノゲシが黄色の花を咲かせていた。
コチドリ擬傷
草花を観察している間、コチドリが鳴きながら忙しく飛び交っていた。
後で調べて見るとコチドリは砂礫の多い造成地に営巣する事が多く、幼鳥は孵化後半日ほどで自分で採食するともあった。 チョット騒がしすぎたのは親鳥が幼鳥に警戒信号を発していたようだ。望遠を最大限にして撮った写真の中に白い羽根を広げて いるのがあった。危険を感じると身を伏せたり、擬傷も行うというからそれだったのだろう。可哀相な事をしてしまった。
平成22年5月30日作成