ヒバリは近づいても逃げず、必死に何かを訴えるように囀っていました

東京で5月の夏日が19日もあったのは新記録で、2日続きの真夏日は11年振りだという。今日のさいたま市も真夏日でズボンが 汗でへばりつく暑さだった。
さいたま市の荒川堤は西遊馬からさくら草橋まできれいに除草され、観察する対象がほとんど無かった。
最初は見上げたヒバリ 近くに行っても囀り続けるヒバリ
空を探しても居ず橋の手摺で囀っていました 近づいても逃げる気配失く囀り続けるヒバリ
西遊馬樋管の塔への連絡橋でヒバリが大声で囀っていた。最初は空で囀っているとばかり思い見上げたが姿が無く、やっと橋 と気づいた。
何枚か撮ったので逃げられてもともとで階段を上って徐々に近づいた。
それでも逃げなかったので囀りを入れて動画も撮った。
パソコンに入れてみるとあんなに大きな囀りだったのにほとんど録音されていなかった。以前にオオヨシキリの動画を撮った 時も期待外れだったが、動画の録音機能はかなり近くでないと集音できないのだろうか。
土手で囀るヒバリ 土手の2羽目ののヒバリ
鎌倉時代から1200年も年輪を重ねてきた藤の株 100年以上の藤の株を移植するのは至難の業だったようだ
かなり長く囀り続けて何処かへ飛んでいったので、先に進もうとしたら今度は工事が一段落した土手で囀りが聞こえた。
西遊馬築堤工事の除草された土手で、2羽のヒバリが囀ったり、小さく飛んでからみ合ったりしていた。
なんとなく真剣なように見え、望遠を効かせて2羽を撮ったままで、近づくのをためらっていた。
さっきのヒバリにしろ、この2羽にしろ囀りが訴えているように聞こえた。
除草作業で彼らの大切な巣が壊されてしまって、その理不尽さを訴えているように感じられて仕方なかった。

 鴨川堤をカラスムギの白い枯れ穂が覆い公園予定地にはニガナが群生

カラスムギ
道場5丁目の鴨川堤のノリ面は小穂を飛ばし終わって、枯れてカサカサに白くなったカラスムギの合わさった2枚の包穎(glume) が覆い尽くしていた。
ニガナとミゾコウジュ
カラスムギは稲と一緒に渡来したというイネ科の紀元前帰化植物。普通カラスやイヌが付くのは食用に適さず、役にたたない 事からといわれるが、カラスムギは食用になるようだ。ただ小麦が普及していたため飢饉以外は食べられる事は無かったという。
カラスムギの穎果には屈曲した長い芒(のぎ)があり、穂から脱落するとこの芒が乾湿運動によって屈曲点を軸に回転を繰り 返し、土壌に押し込まれ、発芽に有利な位置に潜るようだ。
10年以上前から買収を始めた道場4丁目の公園予定地は相変わらず中心部の田んぼが稲作を続けている。
このため早くから公有地になった所は適度に荒地でこの時期は ニガナが群生、一部ではミゾコウジュも見られる。でも、除草作業は片側が 私有地の所は農道を除草しなかったり珍現象が見られる。

 アマサギやアオサギにも出会い、ヤマグワの異葉性も知りました

ヤマグワはクワ科の自生する落葉高木。養蚕に使われるクワはマグワ(真桑)ともトウグワ(唐桑)とも言われる。クワの旧仮名 はクハで蚕の桑の葉を食う様が名の由来という。
ヤマグワは雌雄異株で稀に同株。雄花、雌花ともに本年枝下部の葉腋に尾状花序をつける。雄花は4本の雄しべを持ち、雌花 は柱頭が2裂する。
ヤマグワの円い葉 ヤマグワの実 ヤマグワの切れ込みのある葉
ヤマグワの葉脈は基部から3脈がある 実は緑色から赤、熟すと濃紫色になる ヤマグワの深い切れ込みのある葉
この日はクワの円い葉と切れ込みのある葉を持つ種の違いを見極めようと桑の木を集中的に観察した。でもこれはヤマグワ やオヒョウ、ダンコウバイなどに見られる同一樹種にも拘らず葉の形が違う異葉性と知った。
葉は互生で葉柄があり縁には不整鋸歯があり葉脈は基部から3大脈に分かれ、表面は濃緑色でざらつく。しかし葉形は円いもの 切れ込みのあるものなど様々と言う。その理由については分かっていないようだ。

 コモチマンネングサが花を付けていました

コモチマンネングサ
自転車道迂回路脇の耕作放棄地にコモチマンネングサが花を付けていた。他の雑草に交じっていたので最初はマンネングサと 気付かなかった
コモチマンネングサの花
コモチマンネングサはベンケイソウ科の越年草。茎は軟らかく全体が黄緑色で葉腋に珠芽(ムカゴ)をつけるのが特徴。この珠芽は 新芽のような短い葉が集まり、上面は平らで触れるとポロリと落ち、繁殖はもっぱら珠芽による
土屋田んぼのヒメイワダレソウの生えている所から田んぼに伸び出すように花を付けていた。花径約1.2p、花弁は5個、長さ 約5mm、披針形で鋭頭。雄しべは10個で花弁よりやや短い。心皮は5個あるが結実しないという。
平成27年7月21日作成