長崎郊外の矢上の家の前でウリ坊と出会いお互いにビックリでした

今年の9月24日〜28日は27日の義弟の3回忌と、高齢の義母のお見舞いを兼ねて長崎に滞在した。
ウリ坊
26日のお昼過ぎに家を出ると前方の植え込みの近くに小動物がいた。猫でも犬でもなさそうで、カメラで見ると何とイノシシの ようだった。
ウリ坊
ウリ坊だと思った瞬間向こうも驚いたのだろう、植え込みを潜り抜けて道路に飛び出し中央分離帯に飛び上がって反対車線から、 向かいの緑濃い岩山に消えた。
縞模様はあったがもう4ヶ月くらいにはなっていたのだろうが、いったい何のために出てきたのか?最初から1匹だったのか疑問は 尽きない。
でもイノシシの子どもが家の前にいたなんて信じられなかったが、義弟の長男夫婦に話しても、あまり驚かず夏には彼らの家から 蛍が見られるという。自分にとっては別世界の話だが、都会ではあまりに自然を失い過ぎて、人間はそう遠くない将来、致命的な報復を受けるような 危惧も感じる。
ウリ坊(ウリン坊)はイノシシの幼少期の呼び名。授乳期の生後約4ヶ月程度は天敵も多いので木漏れ日の下では保護色となる縞模様が ある。シマウリに似た縞模様とウリの形のような体形からそのように呼ばれるという。

 ここでもアレチウリが繁茂していると、ハヤトウリの存在さえ知りませんでした

ハヤトウリの実
長崎本線の現川駅を通り過ぎて少し先の坂道を上ると途中から大きく左にカーブしてトンネルの上を抜けていた。
左下前方にはトンネルが見え、その手前にはツルドクダミの白い花やヤブマオ、 アレチウリが繁茂していた。
ハヤトウリの花
ガードレールのすぐそばまでアレチウリは進出している。どこでも繁殖力旺盛な特定外来植物だと思いながら取り敢えずかがみこんで カメラを向けた。
違う。花が上品すぎる。葉を見ると間違いなくアレチウリだ。狐につままれた思いで違う花を見てもしっくりしない。
ハヤトウリの花
地域的な違いだろうかなどと無理に自分を納得させながらバス停の方に戻った。まだ時間があったので周辺の農道を歩くとまた アレチウリがあった。どうも変だと思いながらよく見ると果実がなっていた。まだ小さいがウリの形をしている。やっとアレチウリでない事に気付いた。
でもいったい何なのだ。家に帰るまで分からなかった。
あれこれ調べたが分からない。やっと栽培種のハヤトウリの野生化したものと分かった。繁殖力が旺盛で果実も多く なるようで、ネットで調べても植物としての解説はほとんどなく、育て方、調理の仕方がほとんどだった。
アレチウリは北アメリカ原産で、1952年に静岡県清水港で初めて発見されたのでハヤトウリのかなり後輩だ。
ハヤトウリ(隼人瓜):
中央アメリカ、西インド諸島などの熱帯アメリカ原産で大正5年(1916)頃我が国に入り、広く暖地で栽培される ようになった多年草のつる草。地下に太い多肉の塊根がある。花は単性で同種に付き、小形で白色、雄花は腋生の細長い総状花序に付き、雄しべ3個、 雌花は1〜2個雄花序と同じ葉腋に付く。果実を食用とし、塊根を家畜の飼料とする。隼人瓜は合衆国から導入した矢神氏から薩摩の島津隼彦が種子を得て 栽培し、世に広めたのでこの名がある。(新牧野日本植物図鑑より抜粋)

 普賢龍神からの下り坂は車は全く通らず、多くの植物が見られました

27日の昼は最高気温が28℃まで上がり、夜は仲秋の 名月が明るく輝いた。3回忌は義弟が結果的に月下氷人となった娘の1歳9ヶ月の 孫の倫ちゃんで盛り上がった。
15時30分頃から普賢山に登り始めた。途中の普賢龍神まで40分程登ったが途中見るべきものも無く、昼の酔いもあってここから引き 返した。山の中より下りの道路際の方が色々見られ、どこでも盛りだったクサギやヤブマメが数多く見られた。
ベニバナボロギク ヒヨドリバナ
アフリカ原産の花は下を向いて咲くベニバナボロギク 香気はほとんどないキク科のヒヨドリバナ
コマツナギ ヌマダイコン
馬をつなげるほど強いマメ科のコマツナギ 葉が大根に似るキク科のヌマダイコン
初見参のヌマダイコン、ベニバナボロギク、久し振りのヒヨドリバナ、コマツナギ、花は終わっていたが、ボタンヅルの痩果も見られた。かなり下がってき て民家の庭先にウキツリボクも見られた。イチビと同じアブチロン属という事で先月後半からは探してもさいたま市では見られなくなっていたので嬉しかった。

 今回長崎では色々な出会いがありましたが、長崎新幹線工事も進んでいます

タテハモドキ 現川駅
大きな目玉模様のタテハモドキはまだ南国の蝶 現川駅は長崎本線の途中の無人駅
ナガサキアゲハ♀ ナガサキアゲハ♂
ナガサキアゲハは確実に北上中。福島辺りまでか?白い模様が目立つのは♀、オスメスとも普通尾状突起は無い
現川(うつつがわ)駅は自販機だけがあり、単線で喜々津〜浦上間は2路線になっている。その途中駅なので最初に乗 った時には戸惑った覚えがある。いずれにしても山の中の素朴な駅だ。
しかしながら来る途中の緑濃い渓谷沿いの山中に大掛かりな工事現場があり、ダンプがしきりに出入りしていた。 長崎新幹線の工事現場だった。山をくり抜く大工事で、何年か後には新幹線が疾走するのだろう。
長男夫婦との会話では朝出勤途中に動物の交通事故死が見られる事があるとの話もあったが、動物たちの生息域等を どんどん狭めてしまう現状をどう考えたらいいのだろうか。
平成27年10月23日作成