<アレチハナガサ(荒地花笠)>

クマツヅラ科クマツヅラ属

学名(属名+種小名)Verbena brasiliensis

属名のVerbenaはある種の神聖な宗教上の儀式や薬に用いたゲッケイジュなど枝と葉に対するラテン名。種小名のbrasiliensis はブラジルの意
アレチハナガサ 荒地花笠
撮影:左は2016年8月16日 右は2009年10月21日 いずれも荒川河川敷にて
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対生し広線形で基部は楔形で無柄、茎を抱かない 根・茎 茎の断面は四角で中実、茎の毛はまばら
穂状花序は斜上してまばらに約2ミリの花を付ける 果 実 果実は4分果で長さ約1.5ミリ
高さ 高さは150cmにもなる多年草 花 期 7月〜9月
生育地 裸地や礫地、河川敷などの荒地 分 布 東北地方北部を除く本州以南
別 名 バーベナ(クマツヅラ属約250種) 花言葉 芯が強い(少しの風でも揺れるが折れない)
渡 来南アメリカ原産で1957年頃採取された近似種 ヤナギハナガサ、ダキバアレチハナガサ

和   名 裸地や礫地など荒地に生育し、花序を花笠状につける事から荒地花笠とされた事は容易に推測できる。ただしこの種は同属のダキバアレ チハナガサと長年混同されていたといい、日本の野生植物、新牧野日本植物図鑑にも記載が無い。いずれにしても最も古い採集は1933年のようだ。
P.W.Michaelによりダキバアレチハナガサが新種として認識され記載された1995年以降アレチハナガサも種としての地位を確立し、最初に 採取されたのは1957年頃とされている。
雑   記 同属のヤナギハナガサは紅紫色の花冠が長さ約1pになり、萼の2.5倍はあって同時に多くの花が咲いているように見える。そのため栽培さ れることもある。しかしながらアレチハナガサは生命力、繁殖力が強く河川敷や堤防に年々勢力を広げている。このままでは在来の植物に与え る影響が大きく、問題視されているようだが、外来生物法による特定外来生物もしくは要注意外来生物の指定はされていない。
さいたま 築堤工事でさいたま市の荒川土手にも急激に増えている外来種の一種だ。

2016年8月18日作成

アレチハナガサ群生 アレチハナガサにショウリョウバッタ
左はアレチハナガサの群生。右は昆虫病原糸状菌に犯され、アレチハナガサに登って息絶えたショウリョウバッタ