<エゾノギシギシ(蝦夷の羊蹄)>

タデ科ギシギシ属

学名(属名+種小名)Rumex obtusifolius

属名のRumexは槍の一種のラテン古名。種小名のobtusifoliusは鈍頭の葉を持ったの意
エゾノギシギシ 蝦夷の羊蹄 
撮影:11年6月9日 さいたま市桜区の荒川河川敷にて
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柄が長く縁が縮れ中央脈は赤味を帯び易い 根・茎 上部で分枝し、枝は急角度で斜上する
茎の上部と枝の節に密に束生する 果 実 翼状萼片の中脈の赤色の瘤は一つだけ付く
高さ 50〜130p 花 期 5月〜7月
生育地 荒地や路傍や堤防 分 布 北海道〜沖縄に分布するが暖地には少ない
別 名 ヒロハギシギシ 花言葉 付和雷同的な(時に大群生する)
渡 来 原産地はヨーロッパで明治中期に渡来 近似種ギシギシ、アレチギシギシ

和   名 羊蹄は漢名。ギシギシの由来ははっきりは分からないようだが、もと京都の方言で、「新牧野日本植物図鑑」は「ことによ ると子供たちが茎をすり合わせてギシギシという音を出させるからかもしれない」といい「野草の名前」(山渓)は花後の花被が牛 の舌に似ている事からギュウジタが転訛してギシギシになったのではという。
蝦夷は北海道に帰化したものに命名された事に よるという。
別名のヒロハギシギシは文字通り葉が広い事から。
雑   記 ギシギシ類は初夏から荒川土手や河川敷に繁茂し時に倒れ込んだりして実に雑草然としていて、交雑種も作り易いようだ。
名前に地名が付くのはその土地の固有種か最初に採取された所を示す事が多い。でも漢字名の蝦夷の羊蹄はご丁寧に羊蹄山まで連想 させる。それにも拘らず日本全土に分布するのは何となく胡散臭い。
ちなみにエゾの文字を冠する植物がどのくらいあるのか 数えてみた。日本の野生植物(平凡社)が161種、新牧野日本植物図鑑が140種だった。

11年6月18日作成

観察ノート

ナガバギシギシの花 エゾノギシギシの痩果
エゾノギシギシは両性花で萼片6、雄しべ6 翼状の萼の下方の縁は刺状で、痩果は一つ