<ゲンノショウコ(現の証拠)>

フウロソウ科フウロソウ属

学名(属名+種小名)Geranium thunbergii

属名のGeraniumはgeranos(鶴)から出たギリシャ古名geranionから。長いくちばし状の果実をツルのくちばしに例えた。種小名のthnbergiiはスエーデン人植物学者で日本植物誌を初めて発表したチュンベリー(1743-1828)の意。
ゲンノショウコ 現の証拠
撮影:左は208年9月27日さいたま市の荒川左岸河川敷き、右は2009年10月20日小石川植物園にて
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長柄がある葉は対生し手のひら状に3〜5裂する。 根・茎 下向きの毛に腺毛が混じる茎は地を這って立ち上がる。
花は長い柄の先に普通2個づつ付き、梅の花に似て東日本には白、西日本には紅紫色の花が多い 果 実 刮ハは嘴状に伸び約1.5o、熟すと5裂し種子を巻き上げる
高さ 高さ30〜60cmの多年草 花 期 7〜10月
生育地 山野に普通に生える 分 布 日本全土
別 名 ミコシグサ、イシャイラズ 花言葉 心の強さ
渡 来 在来種 近似種アメリカフウロ

和   名 ゲンノショウコ(現の証拠・現証拠)は下痢止めの民間薬として有名で、飲むとすぐに薬効があるからつけられたという。薬効が強くて優秀な整腸生薬であることから、地方によりイシャイラズ(医者いらず)、さらにはイシャゴロシ(医者殺し)、イシャナカセ(医者泣かせ)の別名もあるという。
刮ハは心皮の上部が嘴状に伸びてその下端に種子があり熟すと5裂し巻き上がって飛ばす。この形が神輿の屋根に似ているとの事からミコシグサの別名がある。
雑   記 東日本は白花で西日本が赤花という分布はかなり正確なもので荒川流域等、関東で赤花に遭えるのは経験では小石川植物園でしかない。ここは実験園もあって色々な植物が持ち込まれ、逃げ出しているので結構普通に見られる。
茎が地を這うことが多いからだろうかたくさんの草に混じって小さな白花が見られることが多く、見つけた時にはほっこりすることが多い。下痢止めの民間薬として有名で、刮ハが熟すと種子を巻き上げる形が独特で神輿草の別名があるのも馴染みやすい。

2023年9月16日作成

観察ノート

ゲンノショウコ赤花 ゲンノショウコ白花
西日本では淡紅、日本海側で紅色の花が多く分布している 淡紫色の筋が入ったウメに似た白花は大井川を境に東日本に多い
ゲンノショウコ赤花 ゲンノショウコ白花
茎には毛が多く中に腺毛も交じる 花弁の間から尖った萼が見える