<ヒガンバナ(彼岸花)>

ヒガンバナ科ヒガンバナ属

学名(属名+種小名)Lycoris radiata

属名Lycorisはギリシャ神話の海の女神の名で花の美しさを譬えたもの。種小名は放射状の意
ヒガンバナ 彼岸花
撮影:07年9月23日荒川土手にて
※上の写真はクリックすると大きくなります
葉は晩秋に出て夏に枯れる 根・茎 地中の鱗茎から花茎を立てる
放射状に出た花柄に5〜10花がつく 果 実 果実に種子はできない
高さ 花茎は高さ40〜70p 花 期 9月のお彼岸の頃
生育地 土手、田圃の畦、墓地などに生える多年草 分 布 日本中の人里近い所
別 名 曼珠沙華、ボンバナ(盆花)、葉見ず花見ず 花言葉 強い個性の持ち主(花の色が鮮やか)
渡 来 史前帰化植物 近似種キツネノカミソリ

和   名 ちょうど秋の彼岸前後に花を咲かせるのが名の由来。別名のマンジュシャゲ(曼珠沙華)は赤い花を表わす梵語だといわ れる。このような仏教的な由来の他、真っ赤な花の色からのカジバナ、そして花は花茎だけを伸ばして咲き、葉は花が終わった晩秋か ら冬の時期に伸び出し夏には枯れるので、葉見ず花見ずの別名もある。日本全国の人里に植えられ、生育しているので地方名は900にも のぼるという。
雑   記 ヒガンバナは昔から人里の植物として親しまれる反面、有毒植物として恐れらてもきた。墓地に多いのは子供達が恐れてあまり近 づかないようにとか、土葬が多かった昔は野犬や野鼠に掘り返される事を嫌ったからと言われ、 土手や田圃の畦に多いのは野鼠やモグラに穴を掘られるのを防いだ為 と言われる。反面鱗茎をすりつぶして水でよく洗い、残ったでんぷんを飢饉の時などに食用にしたともいわれる。
ヒガンバナ科は子房下位なのがユリ科との違い。

2007年9月25日作成・12年9月30日改訂

観察ノート

ヒガンバナ花序 ヒガンバナ
6花が放射状についているのが明瞭。普通一つの花序には4〜7花 花被片6、雄しべ6、雌しべ1で子房は下位につく(緑色の球形)

2009年の秋には平野さんという女性が冬に植えたばかりのヒガンバナが伸び出したが、塊茎が小さく1茎づつだった ので観察にはいいチャンスでした。9月19日の朝に咲いた6花を選んだ内の1花の経過を載せてみました。
9月19日の花 9月20日の花
9月19日AM6時5分 咲いたばかりの花、縁が真っすぐ 9月20日AM11時24分 昨夜から強風で一部の花糸が縮む
9月21日の花 9月22日の花
9月21日AM10時52分 北風と強い陽射しで縁が白く縮む 9月22日PM3時7分 無風曇空穏やかな日で変化殆どナシ
9月23日の花 9月24日の花
9月23日AM9時15分 そろそろ終わりが近い花姿です 9月24日PM4時53分 夕日に照らされた6日の儚い花の命