<ヒキノカサ(蛙の傘)>

キンポウゲ科キンポウゲ属

学名(属名+種小名)Ranunculus ternatus(R.extorris)

属名のRanunculusはラテン語のrana(カエル)の意でこの属の植物が湿地に生える事から。
種小名のternatusは 3深裂するの意味で根生葉が普通3裂する事による
ヒキノカサ 蛙の傘
撮影:左の写真は09年4月7日田島ヶ原サクラソウ自生地、右は9年4月13日秋ヶ瀬公園にて
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根生葉は数個が束生し3裂する。茎葉は線形 根・茎 数個の紡錘状の小塊根。茎はひ弱
花径1.3pくらい。花弁5、萼片5は早落性 果 実 痩果はカギがあり丸い集合果になる
高さ 10〜30p 花 期 3月末〜4月
生育地 低湿の野原に生える多年草 分 布 関東以西の本州と四国、九州
別 名 コキンポウゲ(小金鳳花) 花言葉 限りない夢(花弁に輝きがある)
渡 来 在来種 近似種ウマノアシガタ

和   名 蛙(ヒキ)の傘の意味で湿地に生える花を同じ湿地にいる蛙の傘に見立てたという。但し細かい事を云うと蛙を「ヒキ」と は発音しない。音読みで「ア」訓読みではカエルとカワズしかなく方言でもない。正確には蟇なのだろうがヒキガエルではロマンが 無いので、可愛いイメージの蛙になったのだろう。
そう言えばキンポウゲ属の原語名のRanunculus(ラナンキュラス)はラテ ン語のrana(カエル)の意味だ。
雑   記 湿地に生える小形の多年草でひげ根と共に紡錘状の根を生やすのが特徴。
背が低く群生する事も多いが茎は非常に弱い。 根生葉は束生し、茎葉は線形の短い葉を付けるが少ない。
キンポウゲ属共通の花冠のメタリックな輝きは澱粉粒を含み、表面に クチクラ層があるからと云われる。
サクラソウ自生地ではサクラソウに少し遅れて小さな黄色い輝きのある花を咲かせる。夏には地上部は無くなってしまうスプ リングエフェメラル(春のはかない命の植物)の一種。
環境省レッドリスト 絶滅危惧II類(VU)

10年5月9日作成

観察ノート

ヒキノカサ白花 ヒキノカサ
ヒキノカサの白花 09年4月4日自生地にて 花弁に輝きがあり雄しべも雌しべも多数