<ヒナタイノコズチ(日向猪子槌)>

ヒユ科イノコズチ属

学名(属名+種小名)Achyranthes fauriei

属名のAchyranthesはachyron(籾がら)+anthos(花)で、淡緑色で硬いもみ殻状の花の様子を譬えたもの。
種小 名のfaurieiは明治大正時代に東亜の植物収集家だったフランス人宣教師U.J.Faurie(1847-1915)への献名。
ヒナタイノコズチ 日向猪子槌
撮影:左は09年9月14日、右は11年9月8日いずれもさいたま市の荒川河川敷にて
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対生し厚くて先は短く尖る。長さ8〜15p 根・茎茎は四角形で節が膨らみ虫こぶになり易い
淡緑色の花被(萼片)5、雄しべ5、雌しべ1 果 実萼に包まれ紫褐色の針状の小苞で他に付着
高さ40〜90p 花 期8月〜9月
生育地道端や荒れ地に生える多年草 分 布本州、四国、九州
別 名イノコズチ、フシダカ 花言葉人懐こい(他のものに付着する)
渡 来在来種 近似種

和   名 新牧野日本植物図鑑には「豕槌で、節の太い茎をいのこの脚の膝頭に見たてて」とあるが豕槌(いのこずち)が猪の膝頭とはど の辞書にもない。漢方の牛膝(ごしつ)は利尿、強壮薬のようだが、由来は同じ意味でこちらは膝と明快だ。
実の形から広島地方のいのこ祭りで使われる猪子槌としている説や、種が猪にくっついて広がり、猪の子つきとしたのがイノコズ チに変化した(野草の名前)という説もある。
雑   記 右上の花穂の写真を拡大してもそれぞれに花は1つづつしか開いていない。開いている時でもせいぜい2〜3花と少ないが、目立た なくて小さな花は調べてみると精巧で面白い。
花は径6oで淡緑色の花被片5枚の雄しべの基部は薄い膜で連結し、平たい小さな仮雄しべがある。
横向きについた花は果期に は下向きになり、花軸にぴったりと付く。花の基部には小型の苞葉と針状に尖った2個の紫褐色の苞葉があり、果期には花被片を包み動 物などにくっついて運ばれる。

2012年9月12日作成

観察ノート

ヒナタイノコズチに蝶 ヒナタイノコズチにハチ
ヒナタイノコズチにツマグロヒョウモン 2012年9月18日 小さなヒナタイノコズチの花に蜜は多いのでしょうか