<コウゾリナ(髪剃菜・顔剃菜)>

キク科科コウゾリナ属

学名(属名+種小名) Picris hieracioides L.subsp.japonica

属名の Picrisはpicros(苦い)からきた語で、ある種の類似の苦い草本対してつけられたギリシャ名から転用された。
種小名のhieracioidesは ミヤマコウゾリナ属(Hieracium)に似たの意。
コウゾリナ 髪剃菜・剃刀菜
撮影:左は2010年4月26日さいたま市の荒川堤防、右は2014年5月22日田島ケ原サクラソウ自生地にて
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根生葉は早春にロゼット状に広がり、花期には枯れる 根・茎 茎には剛毛が生え、直立して上部で枝を分ける
頭花を包む総苞片には黒い剛毛が生える 果 実 痩果は赤褐色で長さ5o、冠毛は白色で羽状に枝を分ける
高さ 60〜100p 花 期 5月〜10月
生育地 畑や空地、河川敷などに普通 分 布 日本全土
別 名 カオソリナ、カミソリナ 花言葉 見かけ倒し(剛毛は刺し傷にはならない)
渡 来在来種 近似種 ハリゲコウゾリナ(1952年清水港で採集)

和   名 茎や葉の剛毛は人が触れると引っかかって切れそうになるのを髪剃りに譬え、カミソリナとした。また剛毛は触るとざらざらして、顔剃り後の感触に似るので カオソリナと言われた。この両者が転訛してコウゾリナになったという。
「剛毛の先を顕微鏡で見るといかりのようにわかれていて、他に類がない」(野草図鑑)とある が、刺さったり切れたりはしない。
菜は食べられる意味で、コウゾリナは春先のロゼット状の若い葉はおひたしやあえものにすると、少し苦みがあって美味しく、 剛毛は茹でると気にならないという。
雑   記 さいたま築堤が始まった頃には堤防に群生していたコウゾリナも近年は大きな群生はあまり見られなくなった。
ある時、堤防上に突出してツル状に絡み合っている植物 が目についた。通るたびに不思議に思って根元を探すとほとんど木化して太くなっていた。ある日 花を付けていたのを見たらコウゾリナだった。分かってみると根元の方の葉は間違いなくコウゾリナ を証明していた。この日は9月21日でまだ初秋の時期だった。

2015年8月18日作成

観察ノート

コウゾリナ花 コウゾリナ刺
コウゾリナの花は径2〜2.5pで舌状花ばかりのタンポポ亜科 コウゾリナは茎や葉すべてに剛毛がある。