<マツバウンラン(松葉海蘭)>

ゴマノハグサ科ウンラン属 (APG分類では)オオバコ科 マツバウンラン属

学名(属名+種小名)Linaria canadensis (APG分類では)Plantaginaceae Nuttllanthus

属名Linariaはlinon(アマ)に全体が似る為の古い名。canadensisはカナダの意
マツバウンラン 松葉海蘭
撮影:左は08年5月18日、右は06年5月17日いずれもさいたま市の荒川土手にて
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線形で先が尖り松葉状 根・茎 茎は基部で分枝し直立する
穂状花序に仮面状の唇形花をつける 果 実 刮ハは球形で約2ミリ
高さ 30〜60p 花 期 4月〜5月
生育地 日当りのよい所にしばしば群生する 分 布 関東以西瀬戸内海に帰化
別 名
花言葉 芯の強い(ひ弱そうだが荒地に咲く)
渡 来 1941年に京都市で採集 近似種ウンラン、ホソバウンラン

和   名 松葉海蘭は呼んで字の如し。葉が松葉に似て、花の大きさと色は違うが、仮面状唇形花でがあるのがウンランに似る事から。
雑   記 最初に見たのは04年南紀勝浦のゴルフ場。アチコチに群生し春の風に優雅に揺れていた。花に詳しい係員に聞いても名が分からなかった。翌年 板橋駅の広い貨物の引込み線に群生しているのを見た。たまたま野草図鑑の群落写真も鉄道用地だったが、他の植物が繁茂しないこのような荒地の環境を 好むようだ。
荒川では下流の戸田の芝生堤防で最初に見たが、2006年頃からさいたま市でも見られるようになり、2008年には新しく盛土された斜面 に散見されるようになった。
さいたま築堤の工事の進行に伴い荒川堤防に年々増えてきたが、盛土されて2〜3年目の昭和築堤にシロツメクサ、アカ ツメクサなどの群生と共に多く見られた。(2016年4月27日)
北アメリカ原産で1941年に京都で最初に採取された、繁殖力旺盛な越年草の外来種だ。本来なら排除すべき帰化植物なのだが、その姿 形は日本の風景にマッチするような気もして、童謡の「青い眼の人形」を思い出してしまった。渡来して75年とまだ日が浅いので今後定着していきそうな 気がする。

2008年5月21日改訂・2016年4月28日再改定

観察ノート

松葉海蘭群生 松葉海蘭に蝶
南紀勝浦のゴルフ場での群生 2004年4月18日 マツバウンランに蝶 2006年5月17日荒川土手
松葉海蘭 松葉海蘭に蜂
多くのツメクサなどが繁茂している中でアチコチに群生していたマツバウンラン 2016年4月27日