<ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)>

ゴマノハグサ科(APG分類ではハエドクソウ科)サギゴケ属

学名(属名+種小名)Mazus miquelii

属名のMazusはmazos(乳頭突起)で花冠の喉部に突起がある事から。種小名のmiqueliiは19世紀オランダ人植物学者ミケル氏の意
ムラサキサギゴケ 紫鷺苔
撮影:左は2010年4月19日田島ケ原サクラソウ自生地、右は2014年5月4日さいたま市の荒川河川敷にて
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根元の葉は長さ4〜7pの倒卵形。匍匐枝の葉は小さく、対生する 根・茎 根元の葉の間から高さ10〜15pの茎を伸ばす
雌しべは1で雄しべ4本のうち2本が長い。花冠は長さ1.5〜2cmの唇形花 果 実 果実は扁球形で径約4ミリ、下半分は萼に包まれる
高さ 高さ10〜15p 花 期 4〜5月
生育地 田んぼの畦などの湿地 分 布 北海道南部、本州、四国、九州
別 名
花言葉 正直な(苔ではないから詐欺ゴケ?)
渡 来在来種近似種 トキワハゼ

和   名 「鷺苔の意味で、花がサギの頭を思わせるからであろう。白鷺をさしてつけられた名ではないので、特にムラサキサギゴケと呼ぶ必要はない」 (新牧野日本植物図鑑)とある。
でも、サギゴケの白い花が鷺の姿に似ているので「サギ」、地面を這うようにしてたくさんの花を咲かせる様子を苔に見立てて サギゴケ、紫色のものをムラサキサギゴケと呼ぶようになった。というのが自然のようだ。尚、基準種は紫色。
雑   記 ムラサキサギゴケやトキワハゼの花柱の先は上下に大きく広がって2裂しその内側が柱頭になっている。柱頭に触れると上下に分かれていた花柱の先が閉じ、 しばらくするとまた開くが、これを柱頭運動という。
花期の半ばあたりから匍匐枝をのばし、節から発根して栄養繁殖するのがトキワハゼとの際立った違い。匍匐枝(ストロンstoron)とは茎の基部の節 から出て地表を水平方向に伸びる枝で一つ以上の節がある。節から根を下ろし、普通葉や花序を伸ばし、節間がちぎれると独立した植物になる。先端の芽はロゼットや 葉束を付けてやはりちぎれて独立する。これに対し走出枝(ランナーrunner)は蔔枝と同じように水平に地表を這って伸びる枝だが、節には鱗片葉または 普通葉はあるが、節から根を下ろさず、先端の芽からだけ子株を作る違いがある。
従来はゴマノハグサ科に分類されていたが、APG植物分類体系でハエドクソウ科に移された。サギゴケ科として独立させる説もある。

2015年8月6日UP

観察ノート

サギゴケ ムラサキサギゴケ+白
鷺の名は白花の形からついたのが分かる。この時も白の中にも紫が混生していた。2006年6月3日小岩井農場にて
ムラサキサギゴケ+トキワハゼ ムラサキサギゴケ+カキドオシ
右がムラサキサギゴケで左がトキワハゼ 2009年10月10日 右はムラサキサギゴケで左がカキドオシ 2014年4月24日