<ノダイオウ(野大黄)>

タデ科ギシギシ属

学名(属名+種小名)Rumex longifolius

属名のRumexは一種の槍のラテン古名。種小名のlongifoliusは長い葉の意
ノダイオウ 野大黄
撮影:左は12年6月8日、右は11年5月25日いずれもさいたま市桜区の荒川河川敷にて
※上の写真はクリックすると大きくなります
下部の葉は大きく有柄、上部は小さく細い 根・茎 茎は壮大で分枝する
大きな円錐花序に密に小さな花を付ける 果 実 翼状萼片の中脈は膨れない。痩果は3稜形。
高さ 80〜120p 花 期 6月〜8月
生育地 川岸などの湿った草はら 分 布 北海道、本州
別 名
花言葉 見かけによらす感受性豊かな(交雑し易い)
渡 来 在来種 近似種ヌマダイオウ、カラフトノダイオウ

和   名 文字通り野原に生えるダイオウ(大黄)の意
根茎より生薬の大黄(だいおう)が作られるタデ科のダイオウは中国奥地 の高地に野生する高さ1.5〜2mに達する大形の多年草。日本でも信州大黄(R.coreanum Nakai系)、北海大黄として、寒冷地で少量 の栽培が行われているという。
黄色い根茎には消炎・止血・緩下作用があり、瀉下剤として便秘薬に配合されるという。
雑   記 ノダイオウは埼玉県レッドデータブック2011では絶滅危惧TA類(CR)に格上げされている。「河川改修や湿地開発など人為的側面と帰 化種エゾノギシギシとの競合」により減少し、「現在ノダイオウの確実な生育記録はさいたま市田島ヶ原さくらそう公園の保護区だけ」 と記されている。
「東北地方の湿潤な場所には比較的良く見かけるタデ科のノダイオウは多くの場合、外来種のエゾノギシギシと 混生していることが多く、ほとんどの場所で交雑個体を見いだすことができる」(東北大学大学院生命科学研究科 牧研究室)とノダイオウの 絶滅を危惧して遺伝子レベルの研究が始められ、上高地でもノダイオウとエゾノギシギシとの交雑種が生じており、信州大学の高橋耕 一准教授等が生態系保護の観点から遺伝子解析が進められ始めているという。
環境省レッドリストの2012年見直しでも準絶滅危惧 から絶滅危惧U類(VU)にランクアップされた。

11年6月14日作成・12年6月10日改訂

観察ノート

ノダイオウの若葉 ノダイオウの花被片
ノダイオウの若葉 11年4月4日 ノダイオウの内花被にはこぶが無い 12年6月8日