<ウサギアオイ(兎葵)>

アオイ科ゼニアオイ属

学名(属名+種小名)Malva parviflora

属名のMalvaはギリシャ語malacho(柔らかくする)からでた語。この植物の持つ粘液に緩和剤の働きがあるため。
種小名のparvifloraは小形の花 の意。
ウサギアオイ 兎葵
撮影:2009年5月4日いずれも上尾の荒川河川敷にて
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互生し長い柄があり腎円形で浅く5〜7裂する 根・茎 茎は強く、斜上しまたは地表を這う
花径6〜8oの小さな白色で花弁は5枚 果 実 刮ハは10内外の分果が円形につく
高さ 20〜50p 花 期 6月〜9月
生育地 畑や空地、河川敷などに野生化 分 布 関東以西の本州から沖縄
別 名 ハイアオイ 花言葉 見かけによらず(根は深く強い)
渡 来明治年間(19世紀後半)に小石川植物園で栽培 近似種 ゼニアオイ、イチビ

和   名 ウサギアオイ(兎葵)の名の由来は牧野富太郎博士が漢名の「兎葵(とき)」から命名したという。
「アオイというのは日を仰ぐことで日に向かう意味であって、 葉の集まりが向日性を示すことに基づく」(新牧野日本植物図鑑)
雑   記 新牧野日本植物図鑑によると「明治年間(19世紀後半)に小石川植物園で栽培され、一般に栽培されているのは皆ここから出た種子によるものである」とされている。
一方、日本の帰化植物には檜山庫三が1948年、神奈川県大磯町で発見し云々とあり、次のナガエアオイの項にメモとして檜山は「相州大磯に終戦後に現れたものの如く、 昭和23年に採集している。和名がないと思うのでナガエ(長柄)アオイと呼ぶ」とある。
両種の別名がハイアオイで誤解が生じやすいとネットにあるが、原因はここ いらにあるのかもしれない。

2015年8月16日作成

観察ノート

ウサギアオイ草姿 ウサギアオイの花
花柄は長さ2〜3oと短く、果時にもほとんど長くならない 多数の雄しべは下部で合着して雌しべを包むという