<ウツボグサ(靭草)>

シソ科ウツボグサ属

学名(属名+種小名)Prunella vulgaris var,lilacina

属名のPrunellaはドイツ語の喉頭炎からの変化、喉頭炎に薬効アリと信じられた。
種小名のvulgarisは普通の意。変種は淡紅色の意
ウツボグサ 靭草
撮影:左は06年6月27日小石川植物園で右は2012年6月19日野川公園にて
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葉は対生し長さ2〜5cmの長楕円状披針形 根・茎 走出枝を出し四角形の茎を立ち上げる
3〜8cmの花穂に紫色の唇形花を密集してつける 果 実 ウツボグサの萼は2唇形で花が済むと果実を包んで閉じる
高さ 10〜30センチの多年草 花 期 6〜8月
生育地 山野の草地や道端 分 布 日本全土
別 名 夏枯草(カコソウ) 花言葉 優しく癒す、協調性
渡 来 中国 近似種タテヤマウツボグサ

和   名 ウツボグサ(靭草)のウツボは昔矢を濡らさぬよう背負った武具の靭(空穂)に似ていることからという。しかしながら、いがりまさしは 「ウツボグサの靫が「穂」すなわち花序の形に由来することは「大和本草」に書かれているのでそれに従った。ところが,靫にはさまざまな形がある。時代によってもちがいがあるようだ。むしろウツボグサの花序に似ているものを探すのに骨が折れた。そしてあるものはまるでウツボグサの花序ではなくひとつの花のように袋状である。ひょっとしたら,花そのもの形が似ているというのが本当の名の由来かもしれない」と書いている。
雑   記 田島ヶ原サクラソウの二十四節気の夏至のレポートを書いていたところ初候が「乃夏枯」なのに気づいた。読み方すらわからずネットで調べると「乃東枯」の意味は、「乃東」は「だいとう」と読み、これは「夏枯草(カコソウ)」の古称とあった。夏枯草とは漢方の名でもあるようだがウツボグサが花を咲かせた後すぐに花穂が黒褐色になり枯れたように見える事によるようだ。そして半年前には冬至の初候で「乃東生」(なつかれくさしょうず)とあり、この頃芽生えると言う。
何年も二十四節気のレポートを書きながら、今回夏枯草がウツボグサの別名とも初めて知った。

2023年7月1日作成

観察ノート

ウツボグサ ウツボグサ
個々の花は唇形花だが面白い形だ 花が落ちた花穂は何かのお面のようだ