<ユウガギク(柚香菊)>

キク科ヨメナ属

学名(属名+種小名)Kalimeris pinnatifida

属名のKalimerisはkalos(美しい)+mero(部分)で花弁が美しいから。種小名のpinnatifidaは羽状中裂の意で葉の 切れ込みが深い事からか

APG分類Vではシオン属で学名(属名+種小名)Aster iinumae

属名のAsterはギリシャ語の星、筒状花が放射状な事から。種小名のiinumaeは江戸時代の本草学者飯沼慾斎の意
ユウガギク 柚香菊
撮影:左は10年10月22日、右は11年10月11日いずれも田島ヶ原サクラソウ自生地にて
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質は薄く切れ込みは概して深い 根・茎 地下茎を横に伸ばして増える
花径約2.5pで、ほぼ白色が多い 果 実 痩果は扁平で冠毛はごく短い
高さ 60〜120pの多年草 花 期 6月下旬〜11月と長い
生育地 河川敷や堤防など 分 布 本州(近畿地方以北)
別 名 花言葉 陽気に騒ぐ(茎がよく分枝し広がる)
渡 来 在来種 近似種カントウヨメナ、ヨメナ

和   名 柚香菊は柚(ゆず)の香りがするのが名の由来と言うが、葉をもんでみてもほとんどしないように思う。
雑   記 キク科は約900属15,000〜20,000種を含む最大の科といわれ、ユウガギクはキク亜科シオン族ヨメナ属に分類されている。日本の野生 植物(平凡社)の検索表では痩果に冠毛はあるがごく短いことでシオン 属に含めていない。
しかし近縁であることは間違いなく、エングラー体系でのヨメナ属はAPGVではシオン属に統合されている。
カントウヨメナとの見分けは葉の質が薄く、縁は羽状中裂し、花を付ける枝は細くて長く、横に広がる。上部には狭披針形で鋸歯の少ない 苞葉状の葉が付く。サクラソウ自生地ではいつの間にかカントウヨメナが見られなくなった。
6月下旬ころから咲き始め、枯姿は1月の草焼きの時まで残っている。

11年12月5日作成・2015年10月12日改訂

観察ノート

06年群生 06年群生
06年以前にはこのような野菊の群生が土屋堤防の内外のノリ面で見られましたが、築堤工事ですっかり姿を消しました 06年10月15日
ユウガギクの総苞
総苞と手前は蕾