入口を入ってすぐ右手のマンサクが若葉をつけていた。その下には一面に白い小さな花が咲き、タチツボスミレが薄紫の花を咲かせて
いた。
白い花はコゴメイヌノフグリで、日本庭園にむかう左右
の草はらにも、上の森林地区にも小石川植物園の至る所に繁茂していた。7年前に初めて見てその後、かなり広がっているのは分かっていたがこれほどと
は思わなかった。小石川植物園を全面的に占拠していると言っても過言ではない。
コゴメイヌノフグリはヨーロッパ原産の越年草。「1960年から東京の小石川植物園で栽培され、70年ごろには園内にかなり広がり、
これが逸出して東京都内で見られるようになった。和名は白色の花がコゴメグサを思わせる事から。」(日本の帰化植物)
ついでながらコゴメイヌノフグリなどのゴマノハグサ科の一部は遺伝子を重視する新しいAPG分類ではオオバコ科に含まれる。
小米犬のフグリの花径は5o、大犬のフグリは10o | 野原では一般的にみられるハコベ類もここでは少ない |
ヒメオドリコソウとコゴメイヌノフグリ | 葉脈が赤いのでアカフと言われる事がある |
小石川植物園のタチツボスミレは花が本当に早い。よく見ると葉脈が赤いアカフタチツボスミレだ。でもこのスミレの花期が早いとは
どこにも書いてない。久し振りの国会前庭のタチツボスミレが群生する南斜面にはまだスミレのスの字もなかった。
自宅近くの家のサンシュユが見事な枝ぶりに花をつけているが、常に門が閉まっていて写真を撮らせてもらう機会がなく、忸怩たる思
いでいた。
小石川植物園の近くの播磨坂桜並木にサンシュユが3本鮮やかな黄色い花を咲かせていた。勇んでシャッターを押しまくった。そして
園内に入るとアチコチに大きなサンシュユの木があって、春黄金花が満開だった。
サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木。江戸時代の享保年間に薬用として栽培され、観賞用として庭木に利用されるよう
にもなった。
花弁は4個で反り返り、雄しべは4個(写真の円内参照)。秋になる赤い実を珊瑚に例えたアキサンゴの別名もある。
花弁は4個で反り返り、雄しべは4個(写真の円内参照)。秋になる赤い実を珊瑚に例えたアキサンゴの別名もある。
トサミズキは土佐に自生するマンサク科の落葉低木 | シナミズキ(支那水木)はマンサク科の落葉低木 |
トサミズキは穂状花序が長くて花と花の間隔が広く花が少い。花弁はヘラ形で5枚。雄しべは5本で、葯は紅色。よく似ているヒュウガミ
ズキは穂状花序が短くて花と花の間隔が狭く花が多い。そして葯が黄色の違いがある。
シナミズキはマンサク科トサミズキ属の落葉低木で、よい香りがする事から匂い土佐水木の別名がある。トサミズキに比べて1つの花が
大きく、また一房につく花の数も多い。
ヤマアイ(山藍)はトウダイグサ科の多年草。雌雄異株(または同株)。雄花序は3〜5個ずつの緑白色の花が固まってつく。 花弁
は無く、顎片が3つに裂ける。 雌花は3個の萼と2個の棒状体と1個の雌しべがあり、柱頭は2裂。
平成26年3月21日作成