田園地帯にセッカの声が響きます

朝、工場の建物を回って目の前に新開(しびらき)3丁目と道場(どうじょう)5丁目の水田地帯が開けるところに来ると、いつもヒッヒ、カッカというセッカの声が聞こえてくる。 そして5〜6月前半までは自転車を止めるとピタッと鳴き止んだ蛙の合唱は、今や野太い独唱に替わり、ブレーキの少しくらいの音では一向に鳴きやむ気配は無くなった。

ハンゲショウが白い葉をつけています

ハンゲショウ
7月4日には5丁目の水田の区切りになっているアシの群生の根元付近にハンゲショウ(半化粧・半夏生)の白い葉が目立ち始めた。
 数日でかなり多くなってきたハンゲショウの白い葉は普通の植物の花弁の役目をしているらしい。「長さ10〜15pの総状花序に小さな白い花を多数つけるハンゲショウには花被は無く、花弁状の苞葉も無く、かわりに白く変わった葉が虫を誘引しているという。そして果実が熟する頃にはまた緑に戻る」(日本野生植物館)というのだから自然の妙は素晴らしい。
アシの根元にハンゲショウが白い葉をつけはじめました。何本も上に伸びているのがたくさんの小さい白い花をつけたハンゲショウの花序です。一つひとつの花は直径1.5oほどで、6〜7本の雄しべと雌しべだけしかありません。
 写真はクリックすると大きくなります。

昨年と同じ所にイヌゴマが花をつけました

さいたま市の地図では既に公園の表示になっているプラザウェストの南側一帯は未買収の水田と公有地が混在している。
 6日にこの道場4丁目の、公有地として土盛りした台地と細い農道の間にイヌゴマ(犬胡麻)を2茎発見した。ここは去年初めてイヌゴマを見つけた所で、なんだかとても懐かしい気持ちになった。
 11日には5丁目の休耕田の真ん中にたくさん咲いているイヌゴマを長靴持参で写してきた。ここのイヌゴマは一茎にたくさんの花が付いていたが、色はかなり白っぽく萼にも非常に毛が多いような気がした。

後日除草があった時に、観賞用に持ち帰って口の広い花瓶に挿しておいた。直立せず斜めに広がっていたが、翌日フト気付くと総ての茎が途中から上に向って曲がっていた。放射状に広がっていた花穂が総て上に向っていたのだ。
  その後気をつけて見ると何かに邪魔されて茎が横に伸びていても、途中から曲がって必ず上を向いて花をつけている。犬胡麻の新しい顔を見つけ、ますますこの花が好きになった。

犬胡麻 犬胡麻
犬胡麻 犬胡麻
左は去年と同じ所に花をつけたイヌゴマ 平成18年7月6日。 右は5丁目の休耕田に繁茂していたイヌゴマ。
色もかなり違いますが、 萼の毛が右側のイヌゴマが圧倒的に多くついています。人間で言う体質の違いでしょうか?
苦草 苦草
道場5丁目の休耕田のフェンスに咲いたニガクサ(苦草)です。平成18年7月11日

ニガクサの雌しべは飛び出してカールしています

農道に上がってフェンス状になっている植物群を振り返るとニガクサ(苦草)が花開いていた。
唇形花の淡いピンクが上品で形も面白く、雄しべより長く突き出てカールしている雌しべに感心したり、爽やかなほのかな香りに魅せられたりした。
 そして昨年は同定するのにかなり手間取ったことを思い出した。
雄しべが長く突き出る事はどの解説書も記していたが、雌しべがもっと長い事は不思議な事にどこにも書かれていず、それがあったらより簡単だったと思い出した。
平成18年10月21日作成