<ノジトラノオ(野路虎の尾)>

サクラソウ科オカトラノオ属

学名(属名+種小名)Lysimachia barystachys

属名のLysimachiaはマケドニアのLysimachos王が猛り狂った牡牛に襲われあわやという時にこの植物を振ったら 牛が鎮まったという伝説に基づく。
種小名のbarystachysは重い穂を持ったの意
ノジトラノオ 野路虎の尾
撮影:左は10年6月30日、右は10年7月3日 いずれも渡良瀬遊水地にて
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互生し狭長楕円形か倒披針形で柄は微小 根・茎 横に這う地下茎から地上茎が直立する
総状花序は一方に偏って多数の花を付ける 果 実 刮ハは球形で径約2.5mm
高さ 70〜100p 花 期 6月〜7月
生育地 やや湿り気のある草地 分 布 関東以西の本州と九州北部
別 名 花言葉 朱に交われば赤くなる(交雑し易い)
渡 来 在来種 近似種オカトラノオヌマトラノオイヌヌマトラノオ

和   名 白い小さな花が密に着く10〜30pの花穂がオカトラノオに似て野路に生育する事から。
オカトラノオの花穂は曲がって も先があまり垂れずに反転気味になるが、ノジトラノオは曲線を描 いて先は垂れ下がる個体が多い。
雑   記 サクラソウ自生地をはじめさいたま市の荒川河川敷にはノジトラノオらしきがアチコチに見られた。でもどれもノジトラノオの 特徴と言われる茎の開出毛が無い。
2010年に渡良瀬遊水地にノジトラノオが自生している事を知り観察会に参加した。事務所 の奥とまったくの自生地を見学できた。話では純粋のノジトラノオの自生地はかなり少なく、現在は環境省のレッドリストの 絶滅危惧U類(VU)だが、次回の見直しでは一 段飛び越して絶滅危惧TA類(CR)になりそうとの事だった。
河川敷では昭和築堤工事で激 減しているが、サクラソウ自生では一部でノジトラノオの特徴と言われる茎に開出毛があり、花穂の先端に線形の苞葉が見 られ、裂片が細長いものがある。これらを大切に見守っていきたい。
観察会で出会ったノジトラノオとその交雑種達 を参照下さい。

11年6月18日作成

観察ノート

ノジトラノオの花 ノジトラノオの花
雄しべの葯はまだ新鮮 10年6月30日 裂片は普通5枚で比較的細長い 10年7月3日
ノジトラノオ
ノジトラノオ群生 10年7月3日渡良瀬遊水地